長崎県定期監査「是正・改善すべき」234件 前年同期比33件減

定期監査報告書を大石知事(左)に提出する下田代表監査委員=県庁

 長崎県監査委員は16日、本年度の定期監査(後期)の結果を公表した。普通会計では、対馬振興局管内の4つのトンネルで使用期限の切れた消火器の更新や、非常用電話の不具合についての対応が遅れていた事例など計234件(前年同期比33件減)を是正・改善すべきとして指摘するなどした。
 対馬振興局では、厳原トンネルの消火器55本の使用期限切れや、他の三つのトンネルの非常電話の不通、非常用押しボタンの不具合が点検で指摘されていたが対応できていなかった。同局によると、機材調達の関係で新年度対応予定の城岳トンネルの押しボタン以外は既に対応を済ませた。
 学校関係では、学校保健安全法で毎年度策定が定められている学校安全計画について、国見高と五島海陽高、鶴南特別支援学校の3校で21年度の策定が確認できなかった。このほか7校で計画の不備や、施設・設備の点検記録が残っていない事例も散見されるとして、指導を徹底するよう県教委に意見を出した。
 普通会計の監査対象は地方機関や県立学校、警察署の計118カ所で、指摘は65件、指導は167件、意見は2件。また、財政援助団体等監査は32団体が対象で、指摘は14件、指導は15件、意見は4件だった。
 下田芳之代表監査委員から報告書を受け取った大石賢吾知事は「速やかに是正措置を講じ、(指摘について)部局横断的に共有したい」と答えた。

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