幼少期の集団接種によるB型肝炎が再発 患者の2人が逆転勝訴 広島高裁

子どものころの集団予防接種が原因でB型肝炎を再発したとして、広島市に住む2人が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審判決で、広島高裁は原告の訴えを棄却した一審の判決を取り消し、国に賠償を命じました。

この裁判は1948年から40年間続いた集団予防接種で、注射器の使い回しによってB型肝炎ウイルスに感染し、その後再発した広島市の60代の男性2人が国に1300万円の損害賠償を求めたものです。

2020年、広島地裁は最初の発症から提訴まで20年が経過していて損害賠償の請求権が消滅しているとして、訴えを退けていました。

しかし、原告の2人は、肝炎が再発した時点を起算点とすると20年を超えていないと主張していました。

きょうの控訴審判決で広島高裁の小池明善裁判長は、「今後も不安や苦痛が継続するなど発症に伴う損害は甚大なものがある」として、一審判決を取り消し、原告の2人にそれぞれ1300万円の損害賠償を支払うよう国に命じました。

(原告の男性・判決後集会)
「今日の勝訴判決がこうした解決の道筋に少しでも光を当てることになればこの判決は大きな意味を持ちますし、そうあって欲しい」

原告の訴えが全面的に認められた形で、こうした判決は全国で3例目となります。

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