小山市ふるさと納税30億円超 ティッシュとトイレ紙が9割占める

小山市役所

 栃木県小山市の浅野正富(あさのまさとみ)市長は17日の定例記者会見で、2022年度の市へのふるさと納税による寄付額が、2月末現在で栃木県内の自治体で過去最高となる約30億9千万円になったと発表した。前年度、県内トップの寄付額だった約10億9700万円の約2.8倍と大幅な増加となった。市総合政策課はふるさと納税制度の全国的な認知度の高まりに加えて、物価高騰により日用品を選ぶ人が増えたことが要因とみている。

 同課によると、寄付件数はこれまで最高だった前年度の約3.3倍増の25万9384件だった。

 返礼品では坪野谷紙業(出井)が製造するティッシュペーパーとトイレットペーパーが寄付額全体の91%、寄付件数全体の95%を占めた。次いでコバックス(西黒田)の布団が寄付額の5%、寄付件数の2%となった。

 本年度の市への企業版ふるさと納税は前年度比1件増の5件で、寄付額は前年度の約2.5倍の2560万円となる見込み。そのうち県内の電気設備会社は、市が動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開したPR動画などをきっかけに、渡良瀬遊水地の湿地保全などの活用に約2100万円を寄付した。

 市が提示する寄付金の使い道を示した九つの選択肢を選ばない寄付者が多く、割合は半数近い47%に上った。浅野市長は会見で「寄付者になるべく寄付金の使い道を選んでもらえるよう努めたい」と述べた。

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