【クイズ】貨物列車が勾配を登るには?

日本の物流を支える貨物列車ですが、1本の貨物列車が輸送する貨物の量は最大で650トンにもなります。

そんな重い貨物列車をたった1両で牽引する機関車は相当な力持ちなのですが、そんな力持ちでも急勾配を登るのは大変です。勾配を登れずに後ろに下がってしまったら大事故につながってしまいます。

そこで、貨物列車はさまざまな対策をして急勾配を登るのですが、北海道の北見峠などでは特殊な方法で貨物列車が勾配を乗り越えています。その方法とはどのようなものでしょう?

【ヒント】

基本は機関車1両で1本の貨物列車を牽引するのですが、急勾配の地域では機関車1両では不安です。

解答と解説

【答え】

機関車をもう1両、貨物列車の後ろに連結して押す。

【解説】

「プッシュプル方式」と呼ばれるもので、急勾配の区間の手前で補助となる機関車1両を貨物列車の最後尾に連結します。この方式は、先頭の機関車と最後尾の機関車の運転士の連携が非常に大事で、トランシーバーなどを用いて密に連携を取りながら運行しています。

最近では、JR西日本のうめきたエリアの開発に伴う「うめきた新駅」の開業に伴い、この路線を通る貨物列車が「プッシュプル方式」を取ることになり話題となりました。北海道の石北本線を走る貨物列車(通称「玉ねぎ列車」)や、貨物列車以外では大井川鐵道の井川線や京都の嵯峨野観光鉄道などでも見られる方式です。しかし、技術の進歩に伴って機関車の性能が向上し、「プッシュプル方式」は姿を消しつつあります。

(写真:PIXTA)

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