「次の塁へ」自信胸に迷いなく 海星快勝 3回戦へ 社に5-1 

【2回戦、海星ー社】1回表海星1死三塁、永田の左犠飛で三走田中が先制のホームイン=甲子園

 海星が機動力を存分に発揮して3回戦へ進んだ。甲子園の初戦突破は2016年春、19、22年夏に続いて出場4大会連続。長崎日大とともに県勢初の2校出場を果たした記念の舞台で、先陣を切って実力を証明した。
 初回に足でかき回したのは田中。安打と犠打で二進すると、ワンバウンド投球に好反応して三塁を陥れた。続く永田の当たりは左翼への浅い飛球だったものの「いい流れをと、思い切って」タッチアップ。鮮やかに先制のホームに滑り込んだ。
 二回に快足を飛ばしたのは平尾。無死から左前打を放ち、次打者の進塁打が失敗に終われば、すかさず二盗を決めて直後の角野の右前打で生還した。冬場に地面の蹴り方から徹底的にスプリントを磨き、失敗しても積極的に次の塁を狙う約束事を共有してきたチーム。しっかり成果を出した。
 五回には田川が貴重な右越え2点三塁打。四球後の2死一、二塁から甘い初球を強振した。昨夏も平尾と一緒にスタメン出場しながら、ミスで悔いだけが残った甲子園。帰って来た舞台で「キャプテンとして、4番として何とかしたかった」。1点差に迫られて嫌な空気が漂っていただけに、この一撃も大きかった。
 八回は再び平尾の足。先頭で左前打で出塁後、1死二、三塁となり、三ゴロの一塁送球間に本塁へ飛び込んだ。「意識してやってきた自信がある分、迷いはなかった」。声援が戻った甲子園が沸いた。
 3勝以上が目標の選手たちにとって「ここはまだ通過点」(田川)。優勝候補に挙げられる広陵(広島)との3回戦は、さらに加速してみせる。


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