<長崎県勢両監督に聞く> 海星・加藤監督 終盤まで守りきる/長崎日大・平山監督 隙を見せたら駄目

初戦に向けて互いの健闘を誓う海星の加藤監督(左)と長崎日大の平山監督=三重県伊賀市(チーム提供)

 選抜高校野球大会の長崎県勢は海星が20日の第1試合(9時)で社(兵庫)、長崎日大が21日の第2試合(11時30分)で龍谷大平安(京都)との初戦を迎える。相手はともに激戦区を勝ち抜いた近畿勢。社は海星と同じく夏春連続の甲子園で地元の大応援が予想され、龍谷大平安は史上最多出場校として春夏通算103勝を誇る。決戦を前に、海星の加藤慶二監督、長崎日大の平山清一郎監督にチームの状態や意気込みなどを聞いた。

 -対戦校の印象を。
 加藤 攻守ともに非常に粘り強く、うちがやりたい野球をやっているなという印象。派手さはないけれど、バッテリー中心に少ない点数を守りきる野球をしてくる。
 平山 うちと同様のスタイルで守備からリズムをつくる。勝ちに対する執着心は伝統校ならではだと関西勢から聞いている。それはこっちも同じ。臆せず戦う。

 -警戒する選手は。
 加藤 一番はエースの高橋君。彼に気持ちよく投げさせないこと。打線は左打者が多い。うちのエース吉田との左対左の勝負が一つのポイント。
 平山 中軸の平中君と山口君、山下君のバットが振れている印象。打たれることはあるだろうけれど、しっかりと取れるアウトを取っていく。

 -現地入り後のチーム状態とキーマンは。
 加藤 日に日に体の切れは良くなって上昇している。ここまでの練習試合は守備のミスで投手の足を引っ張る場面もあったけれど、改善できてきていると思う。期待するのは吉田。相手打線にフルスイングさせない投球をしてほしい。(主将で捕手の)田川の一球一球のサインやワンバウンドストップなどもカギを握る。田川がいい精神状態でいけるかどうか。
 平山 昨年よりも守備は辛抱強くなっているけれど、こっちに来てミスがちょこちょこあるので修正が必要。打線も力強くなっていいなと思っていたら打てなかったり、まだむらがある。攻守で頼りになるのは捕手の豊田。投手は廣田でいくか西尾でいくか、先発もリリーフも試してきた。攻撃は(機動力を使える)坂本、栗山が打線をどうつなぐのか期待したい。

 -目指す試合展開と意気込みを。
 加藤 昨夏に続いて2点以内に抑えて3点以上取るのが理想。相手は地元で人気のある県立校。前回出場した7年前も兵庫の長田と対戦して、うちの一つの凡打が負けたかのような感覚になり、逆に相手のシングルヒットで得点が入ったかのような歓声だった。そうした雰囲気は練習のときから選手に話している。打てないのはオッケーとして、終盤まで守りきる。
 平山 ビッグイニングをやらないように何とかロースコアで粘り強くやる。関西のチームは言葉や声もすごい。こちらが隙を見せたらいけない。自分たちの力以上のことはできない。どれだけ平安さんに通用するか楽しみ。(宿舎が同じ)海星さんも早朝の散歩から始まって着実に準備しているなと感じる。選手もいい交流をしながら、お互いに勝利をつかめれば。


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