サミット本番に向け 急ピッチ きれいになる広島の道路 工事に県民「もっと早くしてくれれば」「車乗り心地がいい」

工事、工事、いたるところで工事! このところ、夜に広島市中心部でよく目にする光景です。道路がきれいになっていること、みなさん、お気づきですよね?

高校生
「道路を自転車で走ったり、見たりするだけでも気づきます」

タクシードライバー
「サミットの関係でこういうふうにきれいにしているんだと思うけど、非常に乗り心地がいい」

そう、今、サミットを迎えるための準備が進められているのです。

広島市の担当者
「サミットということで補正予算をつけて、これだけの大きい規模ができるということで、どうしても要人を安全安心に迎えるという準備が大事だと思う」

きょうのテーマは、『G7目前! サミットパワーで広島の道路がきれいに』。

小林康秀 キャスター
「年度末なので道路工事が多いなというのは、いつもの光景なのかもしれないですが、いつもよりもやたら多いと感じていました。みなさんはいかがでしょうか?」

中根夕希 キャスター
「自宅周辺もそうですし、会社の近くもすごくきれいになったなと思います」

青山高治 キャスター
「実際に車などで走っているときに、(道路がきれいになっていることに気づいて)『あっ! このまちでサミットが開催されるんだ』と感じることがけっこうあります。夜間の工事がすごいですもんね」

コメンテーター 吉宗五十鈴 さん
「RCCに来る途中、いつも広島空港の周りを通ってくるんですけど、かなりきれいになっているなと思います」

小林キャスター
「工事は各所で起こっているんですけど、サミットの会場がある元宇品でも工事が始まりました。どんな経緯で工事が今、行われているのでしょうか」

山崎有貴 記者
「午後9時半です。グランドプリンスホテルにつながる道路の工事が始まりました。古くなったアスファルトをはがして、新しくする工事です」

工事が始まったのは、広島市南区の元宇品。14日、サミットの主な会場となるグランドプリンスホテル広島に向かう市道の工事を広島市が始めました。

グランドプリンスホテル周辺では、広島県が管理している道路はすでに工事が終わっていますが、今回、広島市はその道とつながるおよそ1キロの区間で工事をしています。

工事に使われているのは、「路面切削機」と呼ばれる大型の工事車両です。古くなったアスファルトを削り出し、長く伸びた首のような部分のベルトコンベアで運び、ダンプカーに積み込みます。

施工業者「サカタ」 森川実穂 さん
「G7もあるし、みなさんが来られるので、できる限り見た目を美しく仕上げるためにがんばっています」

市は、道路近くの住民に町内会などを通じて説明をしてきました。

近くの住民
「これまでにも道路の整備や電柱の更新のために工事車両は頻繁に通っていた。サミット成功に向けて、われわれもできる限りのことは協力したい」

サミットに向けた広島市の道路工事の始まりは、去年にさかのぼります。

広島市 松井一実 市長(去年9月)
「県と市、県民会議、関係者一丸となって、しっかりとした対応をしたいと考えている」

広島市は、去年9月、サミットに向け、道路整備に充てる補正予算として約17億円を確保し、約20件の工事に1月末から着工しています。この事業のために市では臨時の部署がつくられました。担当者の犬山さんは、市内の道路の状況を確認して回っていました。

広島市 G7広島サミット道路環境整備担当 犬山和久 さん
「広島サミットに参加する各要人の方々の移動を安全安心にするのとともに、その後もサミットの開催地として多くの来訪者が来ることを想定して安全安心、あと景観に配慮しながら、こういった環境整備を行っていきたい」

市内を回ってみると、工事がほぼ終わっているところも多々見られます。

記者
「広島城南側の道路も舗装が新しくなっています。こちらには応急の白線が引かれています」

平和公園の前もご覧のとおり、舗装がきれいになっています。

高校生
「自転車をこいでいてもスイスイ行けたし、走っていてもガタガタしないので、タイヤの負担も減るし、パンクも減るので、長めに考えたら、めちゃめちゃいいなって思う」

タクシードライバー
「特に冬場はバスが通るところはチェーンでわだちができる。傷んだ道は走っていて、乗り心地が悪い。サミットの関係でこういうふうにきれいにしているんだと思うけど、非常に乗り心地がいい。吉島通りの沿線の住民のお客さんからは『夜、音がすごいよ』とか、よく聞きます」

その吉島通りでは、さらに大掛かりな工事が行われています。

道路上の見通しをよくするために300mに渡る中央分離帯が撤去されたのです。市は、中央分離帯をなくし、空いたスペースに、住民から要望があった右折レーンをつくり、ふだんの渋滞を抑える効果を狙いました。

これらの工事の場所は、どうやって決めているのでしょうか?

広島市 G7広島サミット道路環境整備担当 森原隆浩 部長
「(G7サミットの誘致計画案に)G7サミットの主要なポイントが決められていたので、そういったところを首脳が行くであろうと。ルートを独自で考えて、道路の状態がどうなのかをみんなで調べて、舗装の状態が悪いところを安全安心走行のために整備しようということ」

県と市が外務省に提出したサミットの誘致計画案には、会議場としてグランドプリンスホテル広島。各国首脳など関係者の宿泊先候補として市内6つのホテル、また、全世界のメディア関係者の拠点「国際メディアセンター」として、県立総合体育館などが上がっていました。

これらの施設の間の道のりや、2016年のG7外相会合や当時のオバマ大統領が広島を訪問したときの実績を元に「想定されるルート」を考えて、ひび割れやたわみがあり、工事が必要なか所を市は絞っていったといいます。

実際にオバマ大統領は広島高速を下りたあと、吉島通りを通って平和公園に向かっています。

吉島通りに面した家に住む男性に話を聞きました。

吉島通り前に住む人
「ここの前がこんなにきれいになったのは、それこそ10年単位で久しぶりじゃないかと。タイヤのノイズも激減していますよ。本当、驚くぐらい。なんでもっと早くやってくれんのかなという思いはありますね」

ー やっぱり音は違う?
「全然、違う。振動も」

ー 振動?
「振動もありますよ。通りの奥にトラック会社やバス会社があって、昼夜を問わず走りますから。(工事は)とってつけたような。なんだよ、これ、いったい!と思うけどね」

市内で進むサミットに向けた工事…。

市によると、ほとんどが3月中に終わる見込みだということです。

広島市 G7広島サミット道路環境整備担当 犬山和久 さん
「サミットが終わった後は “工事をやらない” ではなくて、道路が傷んでいるところがあって、区役所などに要望があれば、担当が調査して、必要なときに予算をつけて整備をしていくようになると思う」

◇ ◇ ◇

小林康秀 キャスター
「住民にとって今はかなり振動は少なくなったのだと思うんですが、工事中には音もけっこう出ますし、実際に夜中に目が覚めてしまうこともあったようなんです。ただ、『各国の首脳たちが、被爆地・広島を訪れてもらうためには我慢します』とも話していらっしゃったんですよね」

コメンテーター 吉宗五十鈴 さん
「高度経済成長期につくられた道路が、だんだん傷んできていると感じる所もあるので、今後、一定の予算は道路の修繕には必要になってくるんじゃないかと思う。今回だけではなくて」

青山高治 キャスター
「今回、あくまで想定ルートしか分からない中でどこを工事するか、場所を選ぶだけでもたいへんなんだと思います。サミットが終わった後は、あの国の首脳がこの道を通りましたというので気持ちよく走れますよね。(サミットの)おかげできれいになっているので…」

小林康秀 キャスター
「『想定』というのは本当に難しいところがあるんだと思います。広島市内のほかにもサミット関連では、県内の主要な観光地や空港までのルートなどで整備が行われています。福山市の鞆町や、空港までの広島空港線の舗装を県が行っています」

「また、宮島では桟橋をきれいにしたり、島の中の道路の舗装を新しくする工事が進められています。まだ、どこを首脳たちが通るか分からない、正式日程はこれからという中で工事が行われています。サミットに向けた広島の準備、外に出たときにどういった状況なのか、注目してみてはいかがでしょうか」

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