朝倉孝景の肖像画も…特別展「いまに残る一乗谷の記憶」開幕 福井市立郷土歴史博物館で5月7日まで

朝倉孝景の肖像画(右)などが並ぶ「いまに残る一乗谷の記憶」展=3月21日、福井県の福井市立郷土歴史博物館

 戦国大名朝倉氏の滅亡から450年がたった今も福井県福井市内に息づく、朝倉氏のゆかりをたどる特別展「いまに残る一乗谷の記憶」が3月21日、福井市立郷土歴史博物館で開幕した。一乗谷をルーツとする寺社や商家にまつわる史料約60点が並ぶ。

 孝景から義景まで5代100年余、一乗谷で栄華を誇った朝倉氏。菩提寺の心月寺(同市)に伝わる孝景の肖像画(重要文化財)が往時をしのばせる。

 1573年に義景が織田信長に敗れて朝倉氏が滅ぶと、柴田勝家の政策によって寺社や商家が北庄(同市中心部)へ移った。

 一乗谷時代の西山光照寺や安養寺の跡地から出土した陶磁器、極楽寺跡から出た石仏、足羽山移転後の愛宕権現社を管理した松玄院跡から出た笏谷(しゃくだに)石の狛(こま)犬などが関心を集める。

 商人の口癖だった「谷へ出る」の記述がある江戸期の地誌「越前国名蹟考」も展示。もとは一乗谷の武家へ商売に出向く意味の戦国期の言葉。その名残で、武家へ商いに行く行為全般を指す言葉として定着していたことを示す。

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 5月7日まで(4月10~12日休館)。3月25日と5月7日の午後3時から学芸員のギャラリートークがある。

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