「バックネット裏のカープファン」が見たWBC侍ジャパン優勝の瞬間 2日連続「カープおじさん」とSNSで話題に

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で14年ぶりとなる悲願の優勝を決めた侍ジャパン。

21日に行われた準決勝での姿から、SNSで「バックネット裏のカープファン」「バックネット裏のカープおじさん」と呼ばれ、トレンド入りした男性は、決勝でもその「ポジション」を守っていました。

WBCの決勝が行われた舞台は、フロリダ州マイアミ。広島から約1万2500キロ離れたその場所で「HIROSHIMA」の文字を見つけたのは、21日に行われたメキシコ戦のテレビ中継でした。

「バックネット裏のカープファン」はいったいダレなのか…? RCCは21日、マイアミに滞在中のご本人から直接、お話を聞きました。

「カープおじさん」こと、香月孝史さんは、広島市で産婦人科などを経営する医療法人の理事長。ご自身も産婦人科医として出産や不妊治療の専門家です。そして50年来のカープファン。栗林良吏 投手、元カープの 鈴木誠也 選手の活躍を見ようと楽しみにしていましたが、残念ながら2人はけがで出場がかなわず…。「2人の分まで戦ってこよう」と、侍ジャパンに声援を送り続けました。

そして、22日の決勝の後、2日連続となる香月さんへのインタビュー。

優勝を間近で見た感動からテンション最高潮だとばかり思っていましたが、ずいぶんとお疲れの様子…。それもそのはず、香月さんが取材に応じてくれたのは、現地時間すでに午前3時すぎ。

さらにほかメディアからの取材も殺到していたということで、疲労と眠気と闘いながら、それでも取材に応じてくれました。

まず、バックネット裏で見た世界一決定の瞬間は、どのようなものだったのか聞いてみました。

香月さん
「すばらしい試合でした。大谷選手の最後のスライダーは、えぐかった。天下一品ですね。もう言葉にできません」

決勝戦でもバックネット裏で観戦。テレビに映り続けた香月さんは、SNSで「カープおじさん」とも呼ばれていることについて…。

香月さん
「50年来のカープファンですからね。栗林良吏、鈴木誠也 の無念をなんとか晴らせないかと声を振り絞りました」

21日の準決勝の相手、メキシコのファンは「陽気でフレンドリーだった」と振り返る香月さん。では、アメリカ代表のファンはというと…?

香月さん
「絶対に勝つぞ、という思いの強さを感じました。陽気というよりは必死な感じ。アメリカの応援がすごかったので少し戸惑いました」

それでも、試合後には国境を超えたスポーツの力を感じたそうです。

香月さん
「終わった瞬間は全く違った。『コングラチュレーション(おめでとう)』と言われ、握手、ハグ。憎み合いなし。これがスポーツのすばらしさじゃないですか」

一番印象に残ったシーンを聞くと、やはり優勝が決まった瞬間の 大谷翔平 選手だったようです。

香月さん
「世界一と言われる選手でもあれだけ喜べるって、心から野球が好きで、心から本当にうれしかったんだと思います。あれを見れたのが、最高によかったです、目の前で」

産婦人科医として出産という数々の奇跡に立ち合ってきた香月さん。「奇跡の立会人」は、侍ジャパン14年ぶりの世界一をしっかりと目に焼き付けて帰路につきます。

なんともうらやましい経験をした香月さん。取材後は、短い睡眠をとったあと、片道約24時間かけて広島に帰るということでした。

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