WBC吉田正尚、中村悠平の地元福井で熱狂「福井の誇り」 平日でも関係なし…決勝観戦に400人

WBCで日本が優勝した瞬間、パブリックビューイング会場で沸く市民ら=3月22日、福井県福井市のハピテラス

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝が行われた3月22日、福井県内でも多くの人がパブリックビューイング(PV)会場などに集まり、侍ジャパンに声援を送った。最大のライバル米国を下し世界一を決めると、「一丸となって戦う姿に感動した」「勇気をもらった」と歓喜に沸いた。ともに福井県出身の吉田正尚、中村悠平両選手の活躍には「福井の誇り」との声が相次いだ。

 福井市のハピテラスで行われたPVには、平日の午前にもかかわらず、約400人が詰めかけた。用意されたいすはすぐに埋まり、試合途中にも観客が続々と集まった。吉田、中村両選手の打席になると、スティックバルーンや選手名入りのタオルを掲げ、一段と大きな拍手が起こった。勝利の瞬間は大勢の人が立ち上がり、ハイタッチや抱擁を交わした。

 観戦のため仕事を休んだという越前市の男性(37)は「選手の奮闘を見て、自分もまた仕事を頑張ろうとやる気が出た」。母親と弟と訪れた福井市の男の子(6)はWBCで野球に興味を持ち、子ども用のグラブを買ってもらい父親と遊んでいるという。「大谷選手はすごかった」と目を輝かせた。

 最後尾で熱戦を見守った福井市の男性(41)は仕事が休みで観戦に来た。「野球はあまり詳しくないが、勝ち進むにつれ勇気をもらえた」といい、「ピンチでもチャンスでもみんなが鼓舞し支え合う姿に刺激を受けた。自分たちの仕事や生活でも大切なこと。明日から希望を持ってまた頑張れる」と感動した様子で話していた。

 鯖江市のアル・プラザ鯖江でも買い物客がテレビの前で足を止め、声援を送った。同市の男性(74)は「スタメン9人のうち2人が県勢なんて誇りに思う。これからの活躍にも期待したい」と笑顔を見せた。

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 熱狂は選手の関連グッズを置くスポーツ店にも波及。福井市のスーパースポーツゼビオフェアモール福井大和田店では、決勝進出が決まった21日だけで吉田、大谷、ダルビッシュ3選手の大リーグ所属球団のキャップが6個売れた。店長(38)は大リーガーの人気ぶりを感じたという。侍ジャパンについて「チームで戦う良さが伝わり、感動的だった」と話した。

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