“はだしのゲン” 教材から削除に賛成意見提出…教職員らの団体 市教委「賛成・反対両意見が届いている」

広島市内の小学校で使う平和教材から漫画「はだしのゲン」が削除されることを受け、県内の教職員などで作る団体が削除に賛成するという文書を広島市教育委員会に提出しました。

賛同する文書を手渡したのは、教育に関する調査などをしている県内の教職員らの団体=「日本教育文化研究所広島支部」の教員と元教員です。

広島市教育委員会は新年度からの小学3年生の平和教材でこれまで掲載されていた漫画「はだしのゲン」を削除して、原爆により一瞬で家族を失った女性の実体験を採用することにしています。

文書によりますと、「池の鯉」や「浪曲」の場面などいまの児童の実態と合わず、教師が指導するには多大な時間と教材の解釈が必要になり、以前から現場の教師の間では「ゲン」を教えることは難しいと強く訴える意見があったということです。そして、原爆の悲惨さを伝えるためにはできるだけ事実に基づいた資料を掲載してほしいとしています。

「ゲン」の削除をめぐっては、撤回を求める多くの声があがっていますが、広島市教育委員会は「賛成・反対両方の意見が届いている。まもなく新しい平和教材の印刷が完成するが、削除ははだしのゲンの価値を否定するものではない」としています。

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