不妊治療に特化「ふくい輝クリニック」福井市に開院 土曜祝日も診療・治療できる…体外受精や顕微授精、タイミング法

「不妊の人の希望の星になるようなクリニックにしたい」と話す山本輝院長=福井県福井市大願寺2丁目

 不妊治療のニーズが高まる中、女性の不妊治療に特化した「ふくい輝クリニック」が福井県福井市大願寺2丁目に開院した。今年2月からは、高度生殖補助医療の体外受精と顕微授精も開始。山本輝院長(45)は「不妊で悩む人の希望の星となるようなクリニックにしていきたい」と意気込む。

 日本産科婦人科学会は、妊娠を望む健康な男女が避妊しないで性交をしているにもかかわらず、一般的に1年以上妊娠しない場合を「不妊」と定義している。山本院長は加えて「加齢によって妊娠しにくくなるため、35歳以上では半年間妊娠しなかったら不妊と考えた方がいい」と話す。

 山本院長によると、昨年4月の保険適用拡大で経済的負担が減り、治療を希望する夫婦、カップルは増えている。福井県は体外受精と顕微授精について独自の助成制度を設けている(年齢制限あり)。

⇒福井県の特定不妊治療の助成いくら?

 しかし、専門性の高い治療を受けられる施設は都市部に偏在する。山本院長が大阪市の国内有数の不妊専門クリニックに勤務していた時、高度な治療を受けようと福井県からも患者が受診。通院により、日常生活にも支障が出ていた。福井県こども未来課によると、県内で体外受精や顕微授精を受けられる施設は、ふくい輝クリニックの開院前は3カ所。「福井でも、都市部のクリニックのような高度な治療を提供できるようにしたい」と、昨年11月にふくい輝クリニックを開院した。

 同クリニックは予約制で、高度生殖補助医療以外にもタイミング法や人工授精なども行い、希望や状況に合わせて治療していく。診察時間は平日(水曜日を除く)は午後7時まで、土曜日と祝日にも診察・治療を行い、さまざまなライフスタイルの人に対応できるようにした。不妊治療では精神的に苦しむ人も多いため、カウンセリングルームを設け、心のケアにも配慮する。

 女性は一般的に35歳過ぎから、卵子の質の低下などにより妊娠しにくくなるとされる。山本院長は「不妊の場合は、できるだけ早く受診してほしい」と呼びかけた。

© 株式会社福井新聞社