北陸新幹線、福井県での「走行試験」いつから 金沢開業前には4度の一般向け試乗会も

2015年3月の北陸新幹線金沢開業に向け走行試験を行うW7系車両=14年8月5日、新潟県糸魚川市(鉄道建設・運輸施設整備支援機構提供)

 北陸新幹線福井県内開業の半年前となる今秋から、レールや車両の安全を確かめる「走行試験」が始まる。実際の営業車両が道路そばの高架を何度も往復し、場所によっては青いラインをまとう流線形ボディーを見ることもできそう。待望のデビューへ、期待感が一気に高まりそうだ。

 金沢開業(2015年3月)を半年後に控えた14年8月5日。この日は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の走行試験で、新型車両「W7系」が初めて石川県内を走ったメモリアルデーとなった。雄姿を見ようと眺望スポットに市民や鉄道ファンが集結。午前8時過ぎ、金沢駅ホームに“主役”が滑り込むと、大勢のセレモニー参列者が旗を振って歓迎した。

⇒北陸新幹線の最新ニュースはこちら

 9年が経過した今年、福井県の開業準備もいよいよ最終盤に入る。同機構によると敦賀までのレール敷設は既に終わり、敦賀車両基地までを残すのみ。今春に「レール締結式」を行い、秋に走行試験が始まる見込みだ。この頃には県内全4駅舎の建築工事も完了し、冬から開業直前にかけてJR西日本による「試運転」と駅員の訓練が繰り返される。

 金沢開業時の走行試験では、初日にW7系の金沢駅入線が予定より30分遅れた。列車の進路を切り替える「ポイント」の制御システムに不具合が見つかった。県内開業へ調整を進める機構職員は「軌道のゆがみはミリ単位で修正する。絶対に事故を起こさないため、試験では少しの違和感も見逃さない」と力を込める。

⇒北陸新幹線の敦賀駅、整備新幹線の駅で最多の改札19通路

 金沢開業時は前年12月に運行ダイヤが発表された。開業前には4度の一般向け試乗会を開き、計2800人の募集に21万人を超す申し込みが殺到したという。金沢開業にも関わったJR担当者は「注目度の高さは日に日に加速した」と振り返り、福井開業時の盛り上がりに期待を寄せた。

© 株式会社福井新聞社