不要になった学生服、クリーニング店が再利用の橋渡し 福井、譲り受け希望者の負担は洗濯代のみ

不要になった学生服の提供を呼びかける福井県クリーニング業生活衛生同業組合の河合さん(左)と有賀理事長=福井市羽坂町

 福井県クリーニング業生活衛生同業組合は、卒業などで不要になった児童生徒の学生服を回収し、必要な人へ橋渡しするサービス「おさがり学生服」を4月1日からスタートする。子育て世帯の負担軽減や持続可能な社会の実現が目的で、譲り受けたい人はクリーニング代のみ負担すればよい仕組み。同組合は使わなくなった学生服の提供を呼びかけている。

 同サービスは、クリーニング店経営の河合隆輝さん(37)=越前市=が娘が通う小学校から制服の再利用について相談を受けたことがきっかけ。来店した母親から制服購入で経済的に困っているとの話を聞いていたこともあり、同業者に話を持ちかけ昨年11月、越前市内の5店舗で試験的にサービスを開始した。

 現在は学生服の無料回収を県内加盟店のほぼ全店となる70店舗で行っている。4月からは、このうちの30店舗で制服の受け取りができるようになる。

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 募集するのは、卒業したり、成長したりして着なくなった県内小中学生の学生服。譲り受け希望者は汚れやにおいを取るためのクリーニング代金が必要で、サイズ確認のため児童生徒と一緒に来店する。在庫情報は組合のホームページに掲載する。先着順で、店舗による取り置きや予約は行わない。

 同組合の有賀秀雄理事長(70)は「着られる服を捨てるのはもったいない。多くの人の善意が積み重なり、子育て世帯の負担軽減につながればうれしい」と話している。問い合わせは同組合=電話0776(23)4044(水曜以外の平日午前9時~午後4時半)。

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