レンガハウスで最後のライブ 感謝の気持ち込め熱く 佐世保・立神音楽室

レンガハウスの愛称で親しまれる立神音楽室で、最後のライブを楽しむロック愛好家=佐世保市

 歴史公園としての整備、活用が計画されている佐世保市の立神広場にある立神音楽室で19日、音楽スタジオとしての最後を飾るライブが開かれた。「レンガハウス」の愛称で親しまれ、35年間にわたってロックを中心にした市民文化を支えた“聖地”。利用バンドが感謝の気持ちを込めて演奏した。
 立神音楽室は1888年に旧海軍の弾薬庫として建てられた。日本遺産「鎮守府・佐世保」の関連施設で、立神広場は国の委託を受け市が管理。市は一帯を新たな歴史、観光の拠点として整備する方針で、2025年度の供用開始を目指している。立神音楽室は鎮守府などに関するガイダンス施設に生まれ変わる。
 施設は1988年から音楽団体の練習の場として活用され、同市出身の作家、村上龍さん原作の映画「69」のロケ地にもなった。
 現在は立神音楽室利用者連絡会(林智彦代表)の約10バンドが利用。歴代の利用者も含め、世界の子どもたちにポリオワクチンを送るチャリティーライブなど、社会貢献活動も展開している。
 新年度から整備工事が始まり、今月で利用は終了。練習場は市が管理する今福町の旧農業センターに移転する。
 最後のライブイベントには約50人が集い、心地よく音が響くれんが造りの空間で、熱いライブを繰り広げた。林代表は「外人バーなどでロックを聞いて育った。佐世保のバンド文化を支えてくれたレンガハウスには、感謝の気持ちでいっぱい。みんなの思いが詰まっている。これからもロックの魅力をいろんな人に伝えていきたい」と話している。

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