日本供与の地雷探知機、国連開発計画の岡井朝子危機局長が視察 福井県出身の松田邦紀駐ウクライナ大使も同行、キーウ近郊

本の資金援助で供与された地雷探知機で探知活動が行われてきた住宅街などを視察し、記者の質問に答えるUNDPの岡井朝子危機局長(左端)と松田邦紀駐ウクライナ大使(左から2人目)=3月24日、キーウ近郊イルピン

 ウクライナを訪れている国連開発計画(UNDP)の岡井朝子危機局長は3月24日、首都キーウ(キエフ)近郊で、日本による資金援助で1月に供与した地雷探知機を確認し、探知活動が行われてきた住宅街などを視察した。松田邦紀駐ウクライナ大使(福井県福井市出身)も同行した。

 視察したのは侵攻開始直後に激戦地となったイルピン。探知機の供与を受けた非常事態庁の職員らから「爆発物を扱う専門家を新たに500人増やす予定だ」などと報告を受けた。重機でのがれき撤去作業も視察した。

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 日本は昨年4月、爆発物やがれきの撤去支援としてUNDPに450万ドル(約5億8千万円)の拠出を発表。岡井氏は視察に先立ちイルピンのマルクシン市長らと会談し「日本はウクライナの復興支援に参加した最初の国だ」と指摘した。

 損傷したインフラの復旧に向け、日本は今年1月にUNDPに対して9500万ドルの追加拠出を発表しており、岡井氏はこうした資金で「エネルギー施設の修復、地雷やがれきの除去を全力で支援する」と強調した。

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 松田氏はウクライナの農業生産を元に戻さなければ再び食料危機につながりかねないとし「農地の地雷や不発弾除去は、日本のみならず先進7カ国(G7)による支援の大きな柱だ」と語った。

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