神奈川県立こども医療センターに司法面接室 虐待や性的暴行、暖かみが感じられる空間で被害状況聞き取り

「全国に広がってほしい」と願うこども医療センターの意思で、NPO法人「子ども支援センターつなっぐ」代表理事の田上さん

 神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)で、先月から虐待や性的暴行を受けた子どもたちから被害状況などを聞き取る「司法面接室」の運用が始まった。開設したNPO法人「子ども支援センターつなっぐ」(同市中区)によると、子どもの専門病院への設置は国内で初めてという。

 室内には太陽光が差し込み、白色を基調とした内装もあって、暖かみが感じられる空間となっている。新設した「司法面接室」にはスタッフと子ども用のいすを用意。隣には聞き取りの様子を映像で確認し、助言ができる「バックスタッフルーム」も設けられ、犬の人形やおもちゃが置かれた「待合室」も完備した。

 同NPO法人では弁護士からの依頼を受け、専門のスタッフによる聞き取りをしてきた。これまでは同センター内の面談室を利用してきたが、今後の増加を見込んで、専用の司法面接室を整備するため、クラウドファンディングで資金を募集。目標金額の3倍以上となる約930万円を集めた。院内の一部の敷地を無償で借り受け、ボランティアで内装をリフォームし、2月15日から開設している。

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