「思いが染み込んだ教会、次世代に」 平戸・宝亀教会が献堂125周年

カトリック宝亀教会献堂125周年記念ミサであいさつする中村大司教=平戸市宝亀町

 長崎県平戸市中部の宝亀町にある市内最古のカトリック宝亀教会(川原昭如主任司祭)が献堂125周年を迎えた。19日に記念ミサがあり、約100人が賛美歌と祈りをささげた。
 カトリック長崎大司教区の中村倫明大司教が「125年の歩みの中で、いろんな試練、苦しみがあった。私たちを立ち上がらせてくれる教会の恵みを一緒に担っていきたい」と参列者に語りかけた。
 同教会は1898(明治31)年、九十九島を望む高台に建てられ、多くの信者が海岸から資材運搬を担うなどの労働奉仕をした。フランス出身で初代主任司祭のマトラ神父が私財を提供し設計も担当した。正面がれんが造りで側面や背面(聖堂部分)は木造の複合構造。両側面のベランダ状のアーケードは県内の教会では例がなく2003年、県文化財に指定された。
 近くの旧市立宝亀小体育館で記念式典もあり、約150人が出席した。ミサと式典を主催した同教会献堂125周年実行委員長の松田淳二・宝亀小教区評議会議長は「信徒一人一人の思いが染み込んだ立派な教会を守り、次の世代に引き継ぐ」とあいさつ。特別事業として司祭館を新築したことを報告した。

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