没後70年 伊東静雄しのび菜の花忌 諫早

遺影に花を手向ける参列者=諫早市永昌東町、L&Lホテルセンリュウ

 長崎県諫早市出身の浪漫派詩人、伊東静雄(1906~53年)を顕彰する第59回菜の花忌(市芸術文化連盟など主催)が26日、同市内のホテルであった。参列者約90人が、今年で没後70年を迎えた日本を代表する詩人をしのんだ。
 コロナ禍での中止や規模縮小を挟み、静雄の命日(3月12日)に合わせて4年ぶりに開催。雨天のため詩碑がある諫早公園(高城町)から会場を移し、祭壇には静雄が愛したビールの瓶に菜の花が飾られた。
 静雄の詩に曲を付けた歌が披露された後、第23回市中学生・高校生文芸コンクール詩部門で最優秀賞に輝いた富浦花心さん(県立諫早高付属中2年)、黒岩千夏さん(県立希望が丘高等特別支援学校1年)が受賞作を朗読。参列者は1輪ずつ菜の花を遺影に手向け、静雄に思いをはせた。
 伊東静雄顕彰委員長の上村紀元さんは「作品を通じて詩の持つ感性を感じ取ってもらえれば」と話した。優れた現代詩に贈る第33回伊東静雄賞の贈呈式もあった。市立諫早図書館1階エントランスでは4月19日まで、伊東静雄の第一詩集「わがひとに与ふる哀歌」の初版本などを展示している。月曜休館。

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