東京都営地下鉄に「だるまちゃん」、温かいメッセージ 加古里子さん作品、子育てへの理解呼びかけ

だるまちゃんの絵があしらわれた子育て応援スペースで記念撮影する親子連れ=3月25日、東京都大田区の都交通局馬込車両検修場

 東京都営地下鉄の車両に設けられた「子育て応援スペース」に、福井県越前市出身の絵本作家、加古里子さんの「だるまちゃん」シリーズの絵があしらわれている。世代を超えて読み継がれる作品が、都内の幅広い世代に子育てへの理解を呼びかけている。

 同スペースは、小さな子ども連れでも気兼ねなく利用してもらおうと、車いすやベビーカーで乗車できるフリースペースに子どもに人気のキャラクターを描いた。だるまちゃんシリーズ以外に「きかんしゃトーマス」や「ミッフィーとダーン」などがある。

 2019年に3編成で始め、3月末までに全4路線の36編成まで拡大。このうちだるまちゃんは3路線6編成で描かれ「だるまちゃんとてんぐちゃん」「だるまちゃんとかみなりちゃん」の2パターンある。

 「社会全体で温かい目を持ってもらうため、幅広い世代に知られているだるまちゃんを選んだ」と都交通局の小林靖茂課長。車両の絵を見て気に入り絵本を買いに行くと話す乗客もいるといい、好評だという。

 3月25日にはだるまちゃんの車両で、同スペースをPRする初めての絵本読み聞かせ会があった。4歳の長男と参加した江東区の女性(35)は「自宅での読み聞かせでも、だるまちゃんの鮮やかな赤色はまだ1歳の長女も喜ぶ」と兄妹でお気に入りの様子。越前市にだるまちゃん広場があると知ると「子どもは電車も大好き。ぜひ新幹線に乗って行きたい」と笑顔を見せていた。

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