那須町で2017年3月、登山講習会中だった大田原高山岳部の生徒7人と教諭1人が亡くなった雪崩事故は27日、発生から丸6年を迎えた。事故現場近くの小丸山園地展望台に設けられた献花台には寒風が吹き付ける中、地元住民や関係者のほか、遠方から「山仲間」が訪れ、冥福を祈った。
6年前の講習会で8人と同じ班だった元同校山岳部員の大学3年三輪浦淳和(みわうらじゅんな)さん(22)は都内から帰省し、雪崩の発生時刻にあわせて献花した。犠牲になった同級生は今春、大学を卒業して社会人になる年だった。就職活動など自身の近況を報告し、「みんなのことを思いながら、大人になっていきたい」と誓った。
青森県弘前市、主婦小野郁子(おのいくこ)さん(61)は、友人と車で6時間かけて那須岳へ慰霊登山に来た。8人と面識はないが、「山を愛する仲間」を思い、訪れるのは5回目という。「登山好きな子らが亡くなった痛ましい事故。絶対に忘れない」と涙ぐんでいた。