県高校新人大会 サッカー男子 無失点優勝の柳ケ浦が県内4冠を目指す 【大分県】

高校サッカーの県内4冠(新人大会、総体、全国選手権予選、リーグ戦)を目指す柳ケ浦は、最初の関門となる2月の新人大会を制した。6試合無失点で頂点に立ち、幸先の良いスタートとなったが、その後の九州大会や関西遠征では守備が乱れて失点を重ねる試合が増えた。

県外の強豪校と試合をしたことで課題が浮き彫りになった。曽根虎大郎(2年)は「自分たちの生命線の守備が崩れた。新人大会を無失点で終えたことは自信となったが、それが過信になった。もう一度コミュニケーションを取って、立て直さなければいけない」と話し、キャプテンの橋本琉唯(同)は「一人一人の練習の意識、サッカーに対する情熱の差を感じた。特に関西のチームはミスを恐れず、楽しんでプレーしている。僕たちもその域に行かなければ成長はない」と技術でなく、精神面改善の必要性を感じたという。

県外の強豪校との対戦で課題が明確になった

今年のチームも球際、切り替え、ハードワーク、コミュニケーションの「プレーの四原則」を根底に、全員守備・全員攻撃がチームスタイルとなる。そこにプラスアルファーとして個人の武器を加える。中盤で長短のパスで試合をつくる橋本、サイドの突破からクロスで決定機をつくる曽根は自分の武器を押し出し、攻撃を活性化した。ただ、攻撃の比重が大きくなることで守備とのバランスが崩れた。それが新人大会以降の試合で顕著となった。

有門寿監督は攻撃力が向上したことを認めながら、「複数失点していては勝てない」と選手に投げ掛けている。橋本を中心に選手だけのミーティングを開き、それぞれが思う意見を出し合った。「失点すると声が出なくなる」「もっと互いに求めるプレーを要求するべき」「個人の能力が上がれば防げる失点もある」などの声が挙がった。意見を出し合ったことで課題が共有でき、チームには「(意見を)言ったからには責任を持ってプレーしようという雰囲気が生まれている」(橋本)。4月になれば新1年生が加わり、リーグ戦が始まる。県内4冠に向けて、チームが一枚岩になる下地はできたようだ。

県内4冠を目指す柳ケ浦

(柚野真也)

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