長崎舞台「だって、君は」 県立大サークル制作、県庁跡地で映画上映 「当たり前の日常を大切に」

学生たちが自主制作した映画「だって、君は」の上映会=長崎市、県庁跡地旧書庫棟

 県立大シーボルト校(西彼長与町)のサークル「映画研究会SeaCaT(シーキャット)」が自主制作した映画の上映会が、長崎市江戸町の県庁跡地であった。学生たちは新型コロナウイルス禍の中で歩んだ大学生活を踏まえ、作品を通じて「当たり前の日常を大切に」とのメッセージを発信した。
 上映したのは長崎が舞台の「だって、君は」。地元長崎を嫌う男子大学生がある日、講義中に見知らぬ女性と出会い心境に変化が起きる。だが、女性も秘密を抱えていて-という作品。企画、撮影、編集、音楽などを学生たちが担った。
 脚本と監督を務めた同大3年の宇藤百合香さん(21)は入学した年に新型コロナ禍が始まった。作品では「大学に行けるありがたみや当たり前の大切さを伝えたい」と考えたという。また、長崎の良さを描こうと市内各地でロケーション。町並みや自然の美しさを感じられる作品に仕上げた。
 同時上映の「あの星を信じて」も宇藤さんが脚本・監督を手がけた。死んだはずの夫が突然帰ってきたというストーリー。新型コロナの感染拡大で撮影スケジュールが変更になるなど苦労したという。

「だって、君は」のポスター(SeaCat提供)

 県庁跡地の旧書庫棟内で19日に開かれた上映会には約30人が参加。美しい映像や興味を引く物語に見入った。長崎純心大3年の谷口こころさん(21)は「大学生が映画を撮っているのがすごい。(作中のシーンでは)行ったことのない場所もあったがとてもきれいだった」と話した。
 2作品のプロデューサーを務めた県立大3年の井手口萌さんは「長崎の若者に見てほしい。(自分たちは)学外での上映は初めてだったが、次の世代はもっと大きな場所での上映につながれば」と話した。
 作品は4月1日からオンラインで上映する予定。動画投稿サイト「ユーチューブ」の同サークル公式チャンネルに掲載されているURLからチケットを購入できる。

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