オジエが選手権首位で迎えるWRCクロアチアのエントリーリスト発表。ヒョンデはブリーンが復帰

 4月20日(木)から23日(日)にかけて、南ヨーロッパのクロアチアで開催されるWRC世界ラリー選手権第4戦『クロアチア・ラリー』のエントリーリストが発表された。WRCの一戦としての開催は3回目となる今回、WRCトップカテゴリーのラリー1車両を筆頭に計57台がエントリーリストに名を連ねた。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、前戦メキシコで優勝したことにより2023年はフル参戦でないにもかかわらず、2位に3ポイント差をつけポイントランキング首位に立っている。このため、シリーズ6冠王者のフランス人は次戦のクロアチアで1番手からのスタートとなり、クリーンなアスファルト路面の恩恵を受けることができる。

 今季第4戦として行われるターマック(舗装路)ラリーにエントリーする4台のGRヤリス・ラリー1をドライブするのは、オジエに加えて2022年のクロアチアで優勝を飾ったカッレ・ロバンペラ、2020年の同大会で準優勝となったエルフィン・エバンス、そして日本人ラリードライバーの勝田貴元だ。前戦に続き今回もTGR WRTの4人目のドライバーとして出場する勝田は、マニュファクチャラーズポイントの対象外となる4台目のマシンをドライブする。

■ヒョンデの3台目はスウェーデン2位のブリーン

 オジエと3ポイント差のドライバーズランキング2位につけているヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービルは、メキシコでは首位を争いながら惜しくもリタイアを喫した僚友のエサペッカ・ラッピとともにフルシーズンエントリーのヒョンデi20 Nラリー1を駆る。一方、3台目のヒョンデi20 Nラリー1のドライバーは、第2戦スウェーデンで総合2位となったクレイグ・ブリーンが担当予定だ。

 Mスポーツ・フォードWRTは、オット・タナクとピエール-ルイ・ルーベのふたりにフォード・プーマ・ラリー1を託し、2台体制でクロアチア戦に挑む。。タナクは昨年のクロアチアでロバンペラと優勝争いを繰り広げたが、最終パワーステージにおいて“現王者”の驚異的なペースの前に敗れ4.3秒差で優勝を逃した。

ヒョンデ・シェル・モビスWRTのヒョンデi20 Nラリー1 2022年WRC第3戦クロアチア・ラリー

■多くの有力ドライバーがひしめくWRC2

 WRC2ランキングトップのオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、ラリー2マシンの中で最高位のシード権を持つドライバーだが、クロアチアはポイント獲得ラウンドとしてカウントしないことを選択した。このソルベルグの決断によって、第1戦モンテカルロでクラス優勝したヨハン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)の選手権トップ奪還への道が開かれる可能性がある。

 同じくWRC2クラスには、トクスポーツWRTのシュコダ・ファビアRSラリー2を駆る“王者”エミル・リンドホルムをはじめ、ガス・グリーンスミス、サミ・パヤリ、、Mスポーツ・フォードWRTのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)や、ヒョンデi20 Nラリー2を駆るゲオルグ・リンナマエといった有力ドライバーが多数参戦する。またWRC2マスターズカップでは2022年の同カップを制したマウロ・ミーレや、同2位となったアルミン・クレマーが同時参戦することから、より白熱したバトルの展開が予想される。

 さらに、このラリーではワンメイクのFIAジュニアWRCシリーズの第2戦も開催されることになっており、こちらには計8台がエントリー。ローラン・ペリエ、ウイリアム・クレイトン、ディエゴ・ドミンゲスらの若手ドライバーたちがMスポーツ・ポーランドのフォード・フィエスタ・ラリー3のステアリングを握る。

■2023年WRC世界ラリー選手権第4戦クロアチア・ラリー エントリーリスト(RC1クラス/3月27日付)

No. Team Car Driver&Co-Driver Eligibility

17 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 セバスチャン・オジエ
ヴァンサン・ランデ M

11 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 ティエリー・ヌービル
マルティン・ウィダグ M

69 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 カッレ・ロバンペラ
ヨンネ・ハルットゥネン M

8 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 オット・タナク
マルティン・ヤルヴェオヤ M

33 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 エルフィン・エバンス
スコット・マーティン M

42 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 クレイグ・ブリーン
ジェームス・フルトン M

4 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 エサペッカ・ラッピ
ヤンネ・フェルム M

18 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 勝田貴元
アーロン・ジョンストン ‐

7 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 ピエール-ルイ・ルーベ
ニコラス・ギルソウル M

Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1 2022年WRC第3戦クロアチア・ラリー
群雄割拠のWRC2クラスで優勝したガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
WRC第3戦メキシコでWRC3クラスを制したディエゴ・ドミンゲス(フォード・フィエスタ・ラリー3)

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