「アンビリーバボー」で福井の高校生が挑んだ宇宙食「サバ缶」プロジェクト紹介 キンプリ岸優太さんも絶賛「不可能を可能に」

宇宙飛行士の野口聡一さんが国際宇宙ステーションから、若狭高校が開発した宇宙食「サバ醤油味付け缶詰」の“食リポ”を発信した動画の一場面(動画投稿サイトユーチューブより)

 ビートたけしさんや剛力彩芽さんらが出演するフジテレビ番組「奇跡体験!アンビリーバボー」の3月30日放送分で、福井県立若狭高校(小浜市)の生徒が宇宙食のサバ缶を開発し、実際に宇宙空間へ飛ばすまでの軌跡が紹介された。番組は2時間スペシャルで放送。約20年かけて夢を実現させた高校生のバトンリレーに、番組ゲストのKing & Princeの岸優太さんや山口もえさんが称賛した。

 宇宙日本食のサバ缶開発は、同高と統合した旧小浜水産高校で2006年にスタート。サバの缶詰製造で、米航空宇宙局(NASA)などが開発した食品製造の衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」を取得したことが契機になった。

 取得に至り、生徒から「だったらサバ缶を宇宙に飛ばせないか」という声が出た。県立高再編で小浜水産高は若狭高に統合され、思いは若狭高海洋科学科に受け継がれた。食品の質をはじめ、製造工場の衛生管理といった基準を満たすため生徒と教職員が一丸となって取り組み、18年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認証を見事取得した。

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 20年11月には、宇宙飛行士の野口聡一さんが、国際宇宙ステーションから「サバ醤油味付け缶詰」を紹介。その様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信され、夢を実現させた当時の生徒たちは「私たちのサバ缶を通じて宇宙とつながることができるなんて」と感動にあふれた。

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 番組では、旧小浜水産高にやってきた新任教師と、ギャル高校生の奮闘ぶりが紹介された。生徒たちが唯一、目を輝かせて取り組んだ「サバ缶」の製造実習や、HACCPの認証、生徒の一言から始まった宇宙食開発への挑戦…。約20年かけて大きな夢を実現させた青春バトンリレーに、ゲスト出演したKing & Princeの岸優太さんは「不可能を可能にすることを本当に見させてもらった」とコメント。山口もえさんは「奇跡に近いな」と驚いていた。

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