大分トリニータ 屋敷優成の2年目ブレイクなるか!? 【大分県】

6試合目で今季初黒星がついた大分トリニータだが、J1昇格のためには連敗は許されない。明日のジュビロ磐田戦に向けて、チームは一枚岩になっている。これまでの先発メンバーは、けがや急な体調不良以外では入れ替えることはなかった。しかし、負けたことで変化を加える可能性もあり、これまで出場機会に恵まれなかった選手のモチベーションは高い。

屋敷優成がその一人だ。プロ2年目、大分アカデミー出身の19歳。U-20日本代表に選出され、3月の「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023」では準決勝敗退までの全5試合に先発出場し、U-20ワールドカップの出場権獲得に貢献した。「負けられない緊張感がある試合だったので、精神的にタフになったと思う。チームでは昨季ほとんど試合に絡めなかった悔しさがある。代表で成長した姿を見せたい」と静かに闘志を燃やす。

プロ2年目の屋敷優成

屋敷の一番の持ち味はスプリント力だ。一瞬のスピードで相手DFの背後を突き、GKと1対1の場面をつくる。さらに、長い距離を走れるスタミナもあり、チームではトップ下のポジションを担うことが多いが、U-20日本代表ではサイドバックでプレーする。全く異なるポジションであるが、「スプリントで抜ける動きは同じだと思っている。トップ下の場合は点を取ることだけを考えていたけど、サイドバックをするようになって周りと連動した崩しや前線の選手を追い越す動きで、チャンスをつくれるようになった」とプレーの幅を広げた。

成長した姿をチームで披露できず歯がゆい思いもあるが、今は出場機会を得るために練習からアピールを続けている。腐らずに前向きに取り組めているのは、大分アカデミーの大先輩である梅崎司の助言があったからだ。「俺も1年目のときは試合に絡めなかったけど、U-20日本代表で活躍して2年目にブレイクできた。優成も同じようにできる。目の前のことを全力でやり切れ」との言葉に胸が熱くなった。「出番は必ず来る。その時に目に見える形を残す自信はある」。将来を嘱望される19歳が、ブレイクの予感を漂わせている。

 リーグ戦出場に向けて静かに闘志を燃やす

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS