3月31日、2023年FIA F3第2戦メルボルンの公式予選がオーストラリアのアルバート・パーク・サーキットで開催され、シリーズランキングトップのガブリエル・ボルトレート（トライデント）が最速タイムを記録。4月2日に行われるフィーチャーレース（決勝レース2）のポールポジションを獲得した。
4月1日に行われるスプリントレース（決勝レース1）のスターティンググリッドは予選トップ12がリバースグリッドで決定されるため、12番手タイムをマークしたセバスチャン・モントーヤ（ハイテック・パルスエイト）がポールシッターとなった。日本とオーストラリアのハーフであり、地元戦を迎えた飛雲（ヒュー）・バーター（カンポス・レーシング）は23番手で予選を終えている。
予選を控え、現地時間8時50分（日本時間6時50分）から行われたフリー走行は、FIA F3のオーストラリア初走行ということもあり荒れ模様となった。ヨーロッパでキャリアを重ねてきた多くのドライバーにとって初走行となるアルバート・パーク・サーキットは湖を周回する公道と駐車場を組み合わせた半公道レイアウトということもあり、コースアウトやスピンが続出する。
なかでも高速シケインを形成するターン9＆10の立ち上がりのターン10では国際映像で確認できただけでも5回のコースオフが見られ、そのうちジョニー・エドガー（MPモータースポーツ）は勢いそのままタイヤバリアにヒットし、フリー走行は10分間赤旗中断に。そんな荒れたフリー走行では、ウイリアムズ育成のザク・オサリバン（プレマ・レーシング）がトップタイムをマーク。地元戦を迎えた飛雲・バーター（カンポス・レーシング）が8番手につけていた。
現地時間14時00分（日本時間12時00分）から行われた30分間の予選は曇り空のもと、気温19度、路面温度35度というコンディションに。まずはシリーズランキング4位につけるジョセップ・マリア・マルティ（カンポス・レーシング）がアタックを開始。マルティはセクター1で自己ベスト、セクター2で全体ベストを更新するも、ターン10の立ち上がりでバランスを崩しコースオフ。勢いそのままスポンジバリアにクラッシュし、予選は24分21秒を残して予選は赤旗中断となる。なお、マルティは自力でマシンを降りている。
マシン回収とスポンジバリヤの修復ののち、約9分の中断を経て時間14時15分（日本時間12時15分）にセッションは再開を迎えた。午後には天候悪化も予報されるなか、セッション再開時点で気温は18度、路面温度は33度まで下がっている。
赤旗中断前にほとんどのクルマがタイムを記録できなかったこともあり、各車クリアラップを確保するためアルバート・パーク・サーキットは至る所で渋滞が発生する。そんななか、まずは2022年のGB3王者ルーク・ブラウニング（ハイテック・パルスエイト）が1分34秒294をマーク。しかし、その直後にランキングトップにつけるボルトレートが1分34秒064をマークしてトップに浮上する。
残り17分を切り、ウイリアムズ育成のフランコ・コラピント（MPモータースポーツ）が1分33秒588をマークし、暫定首位に浮上する。また、フリー走行でトップタイムをマークしていたオサリバンも好アタックを決めるも、タイムは1分33秒600とコラピントに0.012秒届かず暫定2番手に続いた。
各車ピットでニュータイヤに交換し、残り時間8分を過ぎたころから再びアタックを開始。ボルトレートがセクター1、セクター2全体ベストを更新もセクター3でミスがあったか、タイムアップならず。そんななか、大クラッシュが起きた。最終コーナーの立ち上がりでケイレン・フレデリック（ARTグランプリ）のマシンがウォールにクラッシュ。リヤセクションを中心にマシンは大きなダメージを受けたがフレデリックは無事だった。
このクラッシュで残り4分26秒を残して2度目の赤旗が掲示され、セッションは中断。この時点で暫定トップはコラピント、2番手オサリバン、3番手ボルトレート、4番手グレゴワール・ソーシー（ARTグランプリ）、5番手レオナルド・フォルナローリ（トライデント）というオーダーに。
約9分の中断後、現地時間14時45分（日本時間12時45分）に残り時間4分26秒でセッションは再開された。残された時間はわずかということもあり、各車我先にとコースイン。ただ、トライデントの3台は他車から間隔を開けてコースへ。
ガブリエレ・ミニ（ハイテック・パルスエイト）が1分33秒196をマークし暫定トップに浮上、前戦バーレーンに続いて連続ポールポジション獲得かと思われたが、ボルトレートが1分33秒025をマーク。ミニを0.171秒上回りトップに浮上。そのままボルトレートのタイムを上回るドライバーは現れず、ボルトレートがフィーチャーレース（決勝レース2）のポールポジション獲得となった。2番手には終盤タイムアップを果たしたソーシーが入り、3番手はミニとなった。
ただその直後、予選の残り時間も無くなったなか、ニキータ・ベドリン（イェンツァー・モータースポーツ）が最終コーナーで激しくクラッシュ。3度目の赤旗が掲示され、セッションは赤旗終了となった。なお、ベドリンは無事である。
そして、4月1日に行われるスプリントレース（決勝レース1）は12番手タイムをマークしたセバスチャン・モントーヤがリバースグリッドによりポールシッターとなる。
大クラッシュが続き、3度の赤旗が掲示された予選を終え、2023年FIA F3第2戦メルボルンのスプリントレース（決勝レース1）は4月1日の現地時間10時45分（日本時間8時45分）から行われる予定だ。
■2023年FIA F3第2戦メルボルン 予選暫定結果
Pos. No. Driver Team Time
1 5 G.ボルトレート トライデント 1’33.025
2 8 G.ソーシー ARTグランプリ 1’33.196
3 15 G.ミニ ハイテック・パルスエイト 1’33.307
4 4 L.フォルナローリ トライデント 1’33.370
5 3 Z.オサリバン プレマ・レーシング 1’33.373
6 1 P.アーロン プレマ・レーシング 1’33.408
7 10 F.コラピント MPモータースポーツ 1’33.588
8 2 D.ベガノビッチ プレマ・レーシング 1’33.604
9 16 L.ブラウニング ハイテック・パルスエイト 1’33.765
10 17 K.コレ ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’33.876
11 6 O.ゲーテ トライデント 1’34.017
12 14 S.モントーヤ ハイテック・パルスエイト 1’34.094
13 24 C.マンセル カンポス・レーシング 1’34.227
14 12 J.エドガー MPモータースポーツ 1’34.276
15 9 N.ツォロフ ARTグランプリ 1’34.290
16 11 M.ボヤ MPモータースポーツ 1’34.326
17 7 K.フレデリック ARTグランプリ 1’34.364
18 27 T.バーナード イェンツァー・モータースポーツ 1’34.394
19 18 R.ヴィラゴメス ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’34.546
20 26 N.ベドリン イェンツァー・モータースポーツ 1’34.768
21 20 O.グレイ ロダン・カーリン 1’35.102
22 21 H.イェーニー ロダン・カーリン 1’35.132
23 25 飛雲・バーター カンポス・レーシング 1’35.133
24 22 I.コーエン ロダン・カーリン 1’35.359
25 29 S.フローシュ PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’35.519
26 30 R.ファリア PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’35.688
27 31 P.ウィスニッキ PHMレーシング・バイ・チャロウズ 1’36.019
28 19 T.スミス ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’36.314
29 28 A.ガルシア イェンツァー・モータースポーツ 1’36.596
30 23 J.マルティ カンポス・レーシング 1’56.088
