県議選スタート

 4年前に書いた原稿でこんなお願いをしていた。〈旧態依然とした“悪習”が今の県議会にあるとしたら、それは平成に置いていってほしい〉-今の県議たちの任期が始まったのは「平成最後の日」だった▲それから4年。県議会は変わっただろうか、それとも変化は途上だろうか。満開の桜に彩られて統一地方選の県内第1ラウンド、県議選がスタートした▲令和最初の4年、県政に起きた最大の出来事は言うまでもなく若い新知事の誕生だ。有権者は「変化」を選んだ。その選択に込められた思いにその後の知事や県庁は応えられているだろうか。そして、同じ問いは議会にも向けられている▲諫早市など5選挙区では9人が無投票で当選した。「無風」の選挙は信頼の証拠と言えそうだが、地域の中で「県議会議員の仕事」が魅力的なものに見えていないことの表れかもしれない。だとしたら手放しでは喜べまい▲他の選挙区は9日が投票日。4年前は、桜の見ごろが投票日辺りまで続いていて〈下がってばかりの投票率を幾らかでも支えてくれたか〉と書いたが、今回はどうだろう。もうあちこちで花びらがハラハラ舞い始めている▲もしも桜の後押しが期待できないとしたら、投票率を動かすのは候補者たちの熱い言葉しかない。活発な論戦を期待したい。(智)

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