「ゆうこう」振興 国内外で高評価 長崎市特産のかんきつ類  

田上市長(右手前)に受賞や認定を報告する(左から)長瀬さんと中尾さん=長崎市役所

 長崎市特産のかんきつ類「ゆうこう」振興の取り組みが、国内外で評価を高めている。生産や情報発信に取り組む同市の農家、中尾順光(のぶてる)さん(79)が2022年度、日本特産農産物協会の「地域特産物マイスター」に認定。同市のハム・ソーセージ専門店の長瀬文吾代表(40)が香りや味を生かして作ったハムも、同年の国際コンテストで金賞を獲得した。
 ゆうこうは古くから同市土井首地区や外海地区に自生している。中尾さんは20年以上、調査や生産者の拡大、栽培指導、加工品開発などに取り組み、07年には市ゆうこう振興会を設立。同協会はこうした取り組みを評価した。
 長瀬さんは4年ほど前にゆうこうを使った手巻きハムを開発し、同市目覚町の「グリース ハウゼ ナガセ」で販売。ドイツ食肉連盟が3年に1回開催する世界最大級の食肉加工品コンテストで金賞に選ばれた。
 2人は3月29日、市役所に田上富久市長を訪ねて報告。中尾さんは「ゆうこうの認知度や評価が上がってきた。ゆうこう商品を集めたフェアを開きたい」と新たな展望を披露。長瀬さんは「香りを残すのが難しく何度も試行した。受賞をきっかけに、ゆうこうがもっと広まれば」と期待を語った。ハムを試食した田上市長は「ゆうこうの香りが効いて肉の味を引き立てている」と太鼓判を押した。

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