3月短観 茨城県内3期ぶり悪化 物価高や人件費増

日銀水戸事務所が3日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、茨城県内企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で前回調査(2022年12月)のプラス9から6ポイント低下のプラス3となり、3期ぶりに悪化した。製造・非製造業ともにエネルギー価格の高騰や物価高、人件費の増加などコスト上昇が響いた。

製造業は11ポイント低下のプラスマイナス0。窯業・土石で価格転嫁が進んだことから改善した一方、コスト増や海外経済の減速により、食料品や輸送用機械をはじめ、多くの業種で悪化が目立った。

非製造業は2ポイント低下のプラス6。コロナ禍からの経済活動の再開で人流が増加し、企業の売上高は回復傾向にある半面、人件費の増加などから利益が圧迫された。販売価格判断が全産業と非製造業で調査データが残る1978年2月以降最も高く、価格転嫁の広がりが反映された。

全国では、非製造業で改善の動きが見られるのに対し、茨城県では悪化。同事務所の上野淳所長は「本県はインバウンド(訪日客)の恩恵の受け方が相対的に小さい可能性がある」と指摘した上で、「茨城空港の海外便が再開され、今後(インバウンドの)効果を期待したい」と述べた。

先行きは全産業が7ポイント低下のマイナス4、製造業が1ポイント低下のマイナス1、非製造業が12ポイント低下のマイナス6と、いずれも悪化を見込んでいる。

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