在外被爆者支援に尽力 高實康稔さん しのぶ会 「優しく強い人」人柄懐かしむ

高實さんについて「優しくて強い人だった」と語る門さん=長崎市、長崎自治労会館

 朝鮮人被爆者や中国人強制連行訴訟の支援などに尽力し、2017年4月に亡くなった高實康稔さんをしのぶ会が2日、長崎市大黒町の長崎自治労会館であった。活動を共にした市民ら25人が参加し、「立場の弱い人に優しく、権力にはひるまない強い人だった」と人柄を懐かしんだ。
 高實さんは長崎大名誉教授で仏文学の研究者。牧師で元長崎市議の故岡正治さんの遺志を継ぎ、1995年に有志と岡まさはる記念長崎平和資料館を開設。理事長に就任し、戦時中の日本の加害責任を訴えた。
 しのぶ会は同資料館が毎年開催。生前の映像を流した後、「市民運動ネットワーク長崎」の門更月事務局長が思い出を語った。
 高實さんは同ネットワークの初代代表で、門さんは「日中友好・希望の翼」で一緒に訪中した際のエピソードなどを紹介。「弱い立場にある人たち、権力に置き去りにされた人たちに優しかった。一方で、社会的に力がある企業や国家に対してはその理不尽さを厳しく追及する強い人だった」と振り返った。

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