被爆詩人・福田須磨子さん しのぶ 高校生ら反戦の誓い新たに

福田さんの詩を朗読する活水高の生徒ら=長崎市平野町

 長崎原爆の後遺症に苦しみながら反核や平和を訴えた被爆詩人、故福田須磨子さん(1922~74年)の命日の2日、長崎市平野町の福田須磨子詩碑前で集いがあった。参加した高校生や被爆者らは福田さんの残した作品に触れ、反戦の誓いを新たにした。
 福田さんは23歳の時、爆心地から1.8キロで被爆。詩を通じて原爆のむごさや被爆者の苦痛などを訴え続けた。集いは「長崎の証言の会」などが毎年開き、今年で48回目。参加者約40人は詩碑の前に献花し、黙とうをささげた。
 活水高放送部の3人は「童女へ」「亡き父母に」「母を恋うる歌」など5編の詩を朗読。同校2年の井澤海帆さんは「詩の中で希望があるような部分は明るく読んでみた。(福田さんは)すごく意志が強い方なのだと思った」と語った。同校コーラス部の3人は福田さんの詩を歌にした「生命を愛しむ」「傷だらけの手」の2曲を歌い上げた。
 「長崎の証言の会」の大矢正人代表委員(76)は新しい戦前の時代に入っているという見方があるとして「福田さんの子ども時代と今の時代はどこか共通点があるのではないか。福田さんの言葉を受け継いでいかなければならない」と話した。

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