長崎市庁舎前広場オープン イベントや憩いの場に

長崎市庁舎前広場で開かれたオープニングイベント=長崎市魚の町

 長崎県長崎市庁舎前の広場が今月オープンし、市民らがイベントや憩いの場として使えるようになった。銘板の「長崎市役所」「長崎市議會」の文字は、長崎出身で日本の近代活版印刷の祖とされる本木昌造が発行した新聞の字体。広場のシンボルツリーとして、山王神社(坂本2丁目)の被爆クスノキ2世を植えている。
 広場には腰かけられる高さのステージがあり、ミニコンサートやマルシェなどの開催を想定。約570平方メートルを1時間1786円で貸し出す(市の共催・後援イベントなら無料)。板石を敷いた部分は、長崎くんちの庭先回りや稽古の場としても使える。
 本木昌造(1824~75年)は長崎でオランダ通詞として活躍する傍ら、西洋の活字製造や印刷技術を研究し、その技術を全国に広めた。73年には「長崎新聞」(現在の長崎新聞とは無関係)を創刊。広場の銘板には、県印刷工業組合などの協力を得て、当時の紙面から該当する字を写し取って使った。

庁舎前広場に設置された銘板

 1日のオープニングイベントであいさつをした田上富久市長は、被爆クスノキ2世について「100年、200年をかけて大きくなる中で、長崎の平和の願いを市役所の前で発信してくれると思う」と期待を込めた。近くの長崎女子商業高の吹奏楽部とバトン部も音楽や演技を披露し、会場を盛り上げた。

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