県内入社式 企業、団体トップからメッセージ

 アフターコロナ、持続可能性、デジタルトランスフォーメーション(DX)…。経営環境や価値観が大きな転換点を迎える中、県内企業に今年の春も若い力が加わった。3日までにあった入社式や辞令交付式で企業や団体のトップは、新時代を担う覚悟を求めた。

【宮崎商工会議所 米良充典会頭】
探求と勇気で地場産業振興
 宮崎市では県屋外型トレーニングセンターの運用が始まり、都城、延岡市では国民スポーツ大会に向けた施設整備も進んでいる。大切なのはこのような状況を宮崎の産業振興にどう生かしていくかということ。民間でないとできない仕事は必ずある。スポーツランドの推進やゼロカーボンなど、宮崎の進むべき方向はどこにあるのかを探求しつつ、勇気を持って自分の仕事を前に進めてほしい。

【宮崎銀行 杉田浩二頭取】
困難乗り越え金融のプロに
 宮崎銀行に入行するということは、地域経済の発展に貢献する大きな使命を持つということ。金融のプロになる決意を固めてほしい。上り坂と下り坂があったら迷わず上り坂を選ぶ姿勢こそが立派な宮銀マン・宮銀ウーマンをつくる。当行に入行したことを運命と捉え、困難を乗り越えていってほしい。若いうちはフルスイング。絶対にしてほしくないのは見逃し三振。奮闘を期待する。

【宮崎太陽銀行 林田洋二頭取】
経済を支える使命感持とう
 1941年の創業以来、地元金融機関として直面する課題に向き合い、地域社会の発展に努めてきた。皆さんには地域経済を支える一翼を担っているという強い誇りと使命感を持ち、健康管理に留意するとともに社会人としての心構え、品位・品格を身に着けてほしい。何色にも染まっていないからこそ、既存の価値観にとらわれず、若いエネルギーを存分に発揮されることを期待する。

【霧島酒造 江夏順行社長】
ブランド価値さらに高める
 5月に創業108年目を迎える。世の中の大変化が続いているが、一陽来復の兆しのある本年度こそ新しい幕開けとし、「ミライ霧島」を見据えて大きく飛躍したいと考えている。本日入社された皆さんと一緒に、この都城の地で多くの人に支えられながら築き上げられた当社独自のブランド価値をさらに高め、サステナブル(持続可能)な企業を目指して前途洋々の心でまい進していきたい。

【宮崎山形屋 山下隆幸社長】
社会の動きを感じて対応を
 コロナ禍の学生生活で当たり前の大切さを実感してきた皆さんと、新しい日常が戻るこのタイミングで一緒にスタートできることをうれしく思う。時代の中で変化するお客さまに対して、私たちも変化を求められている。社会の動きを感じる柔らかな感性、その動きに対応できる実行力を身に付け、プロの販売員になってほしい。誰も見たことのない新しい山形屋を一緒に創り上げていこう。

【宮交ホールディングス 渡邊俊隆社長】
「安全と信頼」徹底的に追求
 2026年に100周年を迎える宮交グループはこれまで「安全と信頼」を徹底的に追求し、県民と共に歩んできた。この姿勢を本日入社する皆さんもぜひ受け継いでいただきたい。また「侍ジャパン」のように仲間の喜びを自分のものとして思えるような社会人になってほしい。今の熱い思いを持ち続けながら、仲間を信じ諦めずに挑戦し、新しいステージの宮交グループをつくっていこう。

【ソラシドエア 高橋宏輔社長】
価値を「共創」復活目指そう
 コロナ禍で止まっていた人の移動・交流は復活してきたが、ウクライナ侵攻後の資源高騰や円安により大きな影響を受けている。この環境変化に対応するには、新たな挑戦によって企業も個人も進化する必要がある。当社は「九州・沖縄の翼」として地元と新たな価値を「共創」し復活を目指す。コロナ禍での学生生活を乗り越えた皆さんには、思い切り挑戦していただき共に進化してほしい。

【宮崎トヨタ自動車 佐土嶋恒夫社長】
柔軟な発想や行動力生かせ
 自動車業界が100年に一度といわれる大変革期の中、宮崎トヨタグループ4社は4月に統合し、新たなスタートを切った。皆さんは「会社の宝」だが、初めから光り輝いているわけではない。その柔軟な発想や行動力を自分と会社の成長に生かしてほしい。また、やらずに後悔するより挑戦することが大切。仕事の先には必ずお客さまがいることも意識し、選んでもらえるスタッフになってほしい。

【旭化成 工藤幸四郎社長】
失敗を恐れず先駆者精神で
 旭化成は昨年創業100周年を迎えた。創業者野口遵の(したがう )ように目の前の課題に一生懸命取り組むとともに、「Trailblazer」(先駆者)の精神で失敗を恐れず挑戦していただきたい。コロナ禍でリモートの活用が広がっているが、「現場」で「現物」を見て「現実」を認識した上で物事に取り組む「三現主義」の重要性を心に留め、フレッシュな気持ちで頑張ってほしい。

【日本情報クリエイト 米津健一社長】
予期せぬことプラスで考え
 学生時代はコロナ禍で学びの機会損失もあったかと思うが、人生予期せぬことは多い。さまざまな出来事をプラス思考で捉え、生き抜いてほしい。当社は2020年に上場し、21年には中期経営計画も発表した。不動産業界のDX市場も活況で、若い皆さんの活躍を期待している。ゆっくり成長するか、早く成長するかは自分次第。多くのインプットと主体的な行動で人間的な成長にも努めてほしい。

【MJC 川崎友裕社長】
強みを磨いて一流技術提供
 創立以来50年間、「ITを通じた地域社会への貢献」を理念にさまざまなシステムを開発してきた。社会で役立つ一流の技術を提供するため、共に目標へ前進する中で、プロフェッショナルとして自分なりの強みをつくり、磨いていってほしい。また社会的にも信頼、尊敬される人になっていただきたい。DX時代に活躍する人材として、若いエネルギーを存分に発揮されることを期待している。

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