九州地区高校野球大会県予選 決勝は大分舞鶴と藤蔭 【大分県】

第152回九州地区高校野球大会県予選の決勝がきょう5日、別大興産スタジアムで行われ、大分舞鶴と藤蔭が対戦する。準決勝は大分舞鶴が、2020年秋以降の県内公式戦で無敗だった明豊に4-3で勝利した。藤蔭はエースの松石信八(3年)が投打で活躍し、8-4で決勝に進出した。

天敵破り勢いに乗る大分舞鶴

大分舞鶴にとって明豊は越えなければいけない大きな壁だった。2020年度に河室聖司監督が赴任して以来、公式戦で7連敗の相手。新チームになった昨年夏からは「先輩たちが越えられなかった壁を乗り越えよう」と打倒・明豊を掲げ、冬場も、速球派がそろう明豊投手陣を想定して、マシンをより速い設定にして振り込んだ。河室監督は「通常、冬場は緩い球を打ってフォームを固めるが、今年は速い球をセンター方向に打つことを徹底した」と話す。その成果は春に開花した。相手投手の140キロ台の速球に対して、狙い通りの打撃で打ち崩した。

投げては公式戦初登板となる左腕の糸永遼太郎(3年)が7回3失点と好投。「気負いはなかった。僕の後ろにはいい投手がいる。打たれても仕方ないと割り切って投げた」(糸永)。その後は制球力のある渡辺蒼汰(3年)が無失点に抑え、逃げ切った。エースナンバーを付ける野上龍哉(同)を温存できたことは決勝への好材料。渡辺は「次(決勝)に勝たなければ何の意味もない。優勝して九州大会、夏の甲子園につなげたい」と意気込んだ。

制球力のある渡辺蒼汰が無失点で抑えた

投打がかみ合い好調の藤蔭

直近の5年で2度、夏の甲子園に出場した藤蔭。夏に強いチームの仕上がりがいい。今大会はノーシードから決勝まで勝ち上がった。「昨年夏の大会を経験したバッテリーを中心にロースコアの試合ができている」と竹下大雅監督。今大会は右の松石、左の泉幸輝(3年)の2枚看板を軸に、失点の少なさが際立つ。

打線も好調で上位から下位まで切れ目なく、全員が強い打球を打てる。準決勝では15安打を放ち、そのうち4番の河津陽和(同)が2安打1打点、5番の堀田夏輝(同)は4安打、5番の松石は2安打4打点と中軸が当たっている。打線は水物といわれるが、竹下監督は「打線は良くなっている。誰かの調子が悪くても、誰かがカバーできる。思い通りにならないときに踏ん張れるようになった」と手応えを感じている。松石は「このままの勢いで夏を乗り越えるためには、優勝するしかない」と投打での活躍を誓った。

投打の柱となる松石信八が好投

(柚野真也)

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