【調剤の外部委託】ファルメディコが国家戦略特区に提案

【2023.04.05配信】内閣府は4月4日、国家戦略特区制度の随時募集に関して、各府省庁からの回答についてを公開した。それによると、ファルメディコ株式会社が「保険調剤業務の一部を外部委託する」ことを提案した。

提案書の具体的な事業の実施内容では、薬剤師による対人業務を充実させるため、対物業務の効率化を進める目的で、 厚労省アクションプランを踏まえ、茨木彩都店および、 大阪府に近接する伊丹市内の伊丹店での調剤業務の一部を、 新千里西町店に委託して実施するとしている。委託業務対象は一包化及びそのための薬剤の取りそろえとし、 委託を受けて新千里西町店での調剤を行った薬剤の受け渡し方法は、 委託元経由又は委託先から患者宅等への直送によるとする。

この事業を不可能としている規制としては、薬局開設者に処方箋を応需した薬局内で薬剤師に調剤を行わせるように義務付けていることを挙げた。

提案する新たな措置の内容としては、処方箋を応需した薬局が、医薬品の調製業務の一部を、安全性を担保した上で他の薬局に行わせることを可能にすることとした。

この提案に対し、厚労省は、「調剤業務の一部外部委託については、委託元、 委託先の薬局に対する都道府県等による監視指導の実施など地方公共団体の業務に直接関わるため、特区措置の創設段階においても地方公共団体も含めて調整することが極めて重要であり、特区措置の実施の検討に当たっては、事業に参加する薬局の所在地の地方公共団体の参画が前提になるものと考えている」と回答。

また厚労省は、「調剤業務の一部外部委託については、 厚生労働省において、規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定) 等を踏まえ、 検討会(薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ) で議論し、令和4年7月にとりまとめた結論に基づき、制度整備に向けて必要な検討を進めていると説明。 当該検討会のとりまとめでは、委託元、委託先薬局の範囲について、 まずは同一三次医療圏内とすることとしており、本事業においてもその範囲で実施することが必要と考える」とした。

具体的な資料は国家戦略特区の以下のホームページから確認できる。
「規制改革事項の提案募集について」のページのうち、「各府省庁からの回答」の中の上から二番目、「随時受付提案:令和4年度分 国家戦略特区等に関する検討要請に対する各府省庁からの回答について」の中の「医療」のPDF
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/teian.html

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