チェルシー、下部組織出身の最高ベストイレブン。あの「銅像になった伝説点取り屋」も

ロマン・アブラモヴィッチ氏がオーナーとなった2000年代からプレミアリーグの強豪となった印象が強いチェルシーであるが、実はその前からも多くの名選手を生み出してきたチームでもある。

今回は、そのチェルシーのアカデミーから生まれた名選手たちのベストイレブンを選出してみたぞ。

GK:ピーター・ボネッティ

生年月日:1947年9月27日

チェルシー所属:1959~1975

チェルシーでの通算成績:731試合/0ゴール

チェルシーのアカデミーで育ったゴールキーパーのレジェンドといえば、1960年代から70年代にかけて活躍したピーター・ボネッティだ。見事な反射神経と優雅なスタイルから「ネコ」と呼ばれた。またキックと遜色ない飛距離を誇るスローイングも得意だったという。

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イングランド代表では1966年ワールドカップのメンバーに選ばれ、出場こそなかったものの優勝を経験。チェルシーでは公式戦700試合以上に出場し、1969-70シーズンのFAカップ優勝、1970-71のカップウィナーズカップ優勝に貢献した。引退後はスコットランドに移住して郵便局員になり、その後チェルシーに呼び戻されて指導者を務めた。

右SB:ロン・ハリス

生年月日:1944年11月13日

チェルシー所属:1960~1980

チェルシーでの通算成績:795試合/14ゴール

非常に激しく、時に悪辣なディフェンスから「チョッパー」の愛称を持っていたレジェンド。チェルシーのキャプテンを長年務め、クラブ記録となる795試合に出場した。170cm代の身長であったが最終ラインならどこでもこなせ、晩年にはボランチでもプレーしたそうだ。

60年代から70年代にかけてチェルシーの顔となり、1970年のFAカップ優勝や1971年のカップウィナーズカップ優勝でトロフィーを掲げた。引退後は犬のトレーナーとしても活動したとか。

CB:ジョン・テリー

生年月日:1980年12月7日

チェルシー所属:1998~2017

チェルシーでの通算成績:717試合/67ゴール

もちろんセンターバックの一角にはジョン・テリーだ。チェルシーの下部組織から昇格し、2000年あたりから長く最終ラインの要として活躍。強靭なリーダーシップでチームを統率し、ときには大事な試合で重要なゴールを奪ってみせた。

彼は間違いなくチェルシーで最も成功したキャプテンであり、プレミアリーグ5回優勝、チャンピオンズリーグ優勝など様々な場面でトロフィーを空に掲げていた。現在はチェルシーのアカデミーでコンサルタントとして育成を統括している。

CB:アンドレアス・クリステンセン

生年月日:1996年4月10日

チェルシー所属:1994~2022

チェルシーでの通算成績:161試合/2ゴール

このリストの中で最も迷ったのがクリステンセンを入れていいのかであった。ナタン・アケという手もなくはないが、どちらにしてもまだまだ若手の選手である。かと言ってロベルト・フートを入れるのはどうかという気もする。ロン・ハリスを中に入れれば今度は右サイドがリース・ジェームズになる…。

結論から言えば、ジョン・テリーの他にはあまりチェルシーユース出身の名センターバックは多くないということである。クリステンセンとナタン・アケはそのテリーに続く候補の一人といえる。

左SB:グレアム・ル・ソー

生年月日:1968年10月17日

チェルシー所属:1987~1993、1997~2003

チェルシーでの通算成績:312試合/16ゴール

チェルシー伝説の左サイドバックといえば、グレアム・ル・ソー以外の名前が出ることはないだろう。ジャージー島で生まれた彼は、島での大会でプレーしていた姿を見ていたところをチェルシーの監督ジョン・ホリンズによって見初められたという選手だ。

もともとはウイングであったがサイドバックにコンバートされてブレイクし、一度ブラックバーンへと去ったあとに呼び戻されたときには「イギリス最高額のディフェンダー」となる500万ポンドで買い戻された。ちなみに今はマジョルカの取締役。

MF:デクラン・ライス

生年月日:1999年1月14日

チェルシー所属:2006~2014

チェルシーでの通算成績:下部組織のみ

実はチェルシーの下部組織に所属していたデクラン・ライス。2014年にウェストハム・ユナイテッドへと移籍してリザーブで活躍を見せ、トップチームへと昇格した。

2017-18シーズンにレギュラーとして定着すると、プレミアリーグでも屈指のボランチに成長。イングランド代表でも重要な存在となり、ビッグクラブ移籍が噂されるタレントになった。まだ24歳であるが、すでに実績ではここに入るべき状況にある。

MF:メイソン・マウント

生年月日:1999年1月10日

チェルシー所属:2017年~

チェルシーでの通算成績:192試合/33ゴール

デクラン・ライスとはなんと誕生日が4日違いというメイソン・マウント。幼なじみで親友という彼とともにチェルシーユースで育った。2014年から道を違えることになったものの、今度はイングランド代表で仲間になるというすごい関係である。

まだまだ若手であるがやはりすでにチェルシーで200試合近く出場しているということで、他の選手を考えればこのベストイレブンに選ばれて当然の状況だ。

MF:レイ・ウィルキンス

生年月日:1956年9月14日

チェルシー所属:1973~1979

チェルシーでの通算成績:207試合/35ゴール

2018年に惜しまれながらこの世を去ったレイ・ウィルキンス。まだ61歳という若さだった。チェルシーで長くアシスタントコーチを務めた指導者として知られるが、選手時代もチェルシーに大きく貢献した存在だ。

17歳でデビューし、チームが2部降格したあとには10代でキャプテンも任された。1979年に退団したあとはマンチェスター・ユナイテッドやミラン、パリ・サンジェルマンなどでもプレーした。イングランド代表でも通算84試合に出場している。

FW:ジミー・グリーヴズ

生年月日:1940年2月20日

チェルシー所属:1957~1961

チェルシーでの通算成績:169試合/132ゴール

トッテナム・ホットスパーとイングランド代表のレジェンドストライカーであるジミー・グリーヴズ。その名前はファンなら誰もが知っているが、もともとチェルシーのユース育ちだったというのはそこまで有名ではない。

1955年にスカウトされてチェルシーに加入し、4年間で数多くのゴールを叩き込んだ。イングランド代表では44ゴールを決め、1966年のワールドカップ優勝に貢献した。

FW:ボビー・タンブリング

生年月日:1941年9月18日

チェルシー所属:1959~1970

チェルシーでの通算成績:370試合/202ゴール

チェルシーの最多ゴール記録はフランク・ランパードに破られたものの、まだリーグでのものに限ればボビー・タンブリングがトップ(164ゴール)である。

15歳でチェルシーに加入したあと、3年目にトップチームへと昇格。グリーヴズがチームを去ったあとにエースストライカーとなり、11年間にわたって活躍した。スタンフォード・ブリッジのスイートルームにその名前が残されているレジェンドだ。

FW:ピーター・オスグッド

生年月日:1947年2月20日

チェルシー所属:1964~1974、1978~1979

チェルシーでの通算成績:380試合/150ゴール

グリーヴズ、タンブリングに続いてチェルシーのエースストライカーとなったピーター・オスグッド。そのゴール数のみならず、重要な試合にこそ活躍を見せた選手として知られる。

1970年のFAカップでは全試合でゴールを決めて優勝に貢献。1971年のカップウィナーズカップでもレアル・マドリー相手の決勝戦2試合両方でゴールを叩き込んだ。2006年に死去したあと、その遺灰はスタンフォード・ブリッジのペナルティスポットの下に埋められた。またスタジアムの外にも彫像が残されている。

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