京セラ・谷本秀夫社長インタビュー AI急速普及で成長軌道へ 新工場立地協定

谷本秀夫社長

 京セラの谷本秀夫社長(長崎市出身)は5日、長崎新聞社の単独インタビューに応じた。新工場建設の経緯や今後の展望について聞いた。
 -諫早市への立地を決めた経緯は。
 当社の主力工場、鹿児島、滋賀両県でも増産投資を進めているが、やはり人材確保が難しくなってきた。西日本を中心に検討し、10カ所ほどあった候補地の中から、交通利便性などの条件を考慮して決めた。
 -世界の半導体市場の動向は。
 スマートフォンやパソコンの売れ行きは少し下がっているが、人工知能(AI)の急速普及によりAIチップの需要が盛り上がりつつあり、再び成長軌道に戻ると予想している。最先端のAIチップなどに使われる半導体部品については当社が高いシェアを有している。これを維持しつつ、市場全体の成長と共に、企業を成長させたい。
 -人材獲得競争が激しさを増している。どう差別化するのか。
 地方工場は、製造子会社にしたり、派遣採用したりする企業が多いが、われわれは直営で正社員採用を基本としている。安心感を持って仕事ができる工場にしたい。
 -2019年に開設した情報通信技術(ICT)研究開発拠点「長崎イノベーションラボ」との連携は。
 メインの業務であるセキュリティー分野では力を発揮してきている。新工場のソフトウエア面でのサポートも担うことになるので、工場が大きくなれば、必然的にラボの規模も大きくしなくてはならない。当面は、現在の50人規模から早急に100人規模にする必要がありそうだ。

長崎諫早工場(仮称)の完成予想図(京セラ提供)

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