1人暮らし?家族は何人?…福井県内で不審電話が急増 3月127件、民生委員など名乗り個人情報聞く

特殊詐欺被害防止に向けた訓練で、高齢者役から事情を聴く社員(右)=4月6日、福井県福井市大手3丁目のゆうちょ銀行福井店

 福井県内で3月に、県職員や警察官、民生委員などを名乗り、個人情報を聞き出そうとする不審電話が計127件(速報値)確認されたことが福井県警のまとめで分かった。1カ月当たりの件数としては、2020年以降で2番目に多い。4月も既に27件(4日現在)あり、県警は注意を促している。

 県警生活安全企画課によると、1月は7件だったが、2月に88件に急増。3月はさらに増え、前年同月比5倍超となった。不審電話は県内全域であり、県職員や警察官、民生委員などを名乗り「1人暮らしですか」「家族は何人いますか」「個人情報が流出している」などと言い、年齢や家族構成を聞き出そうとするという。

 同課は「個人情報を電話で聞く公的機関はない。不審な電話があったらすぐに通報してほしい」と呼びかけている。

 不審電話の急増に加え、4月3日には、福井市内の70代女性が、息子やその上司らをかたる男から電話を受け、現金300万円をだまし取られる特殊詐欺とみられる被害が発生した。

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 こうした状況を受け、福井署は6日、同市大手3丁目のゆうちょ銀行福井店で、窓口で多額の現金を引き出そうとする高齢者に対応する社員向けの訓練を行った。同署の真杉順子生活安全課長は「金融機関が被害防止の最後のとりで。今後も訓練などで連携する」と話した。

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