WECの新GTクラス“LMGT3”のタイヤサプライヤーがグッドイヤーに決定。3年契約結ぶ

 グッドイヤーは、2024年シーズンのWEC世界耐久選手権で、LMGTEアマに代わる新しいGTカテゴリーとして誕生する“LMGT3”クラスの単独タイヤサプライヤーに決定した。

 FIAは4月6日、ヨーロッパにスポーツカー事業の拠点を置くアメリカのグッドイヤーが、2024年から3年間の契約で、WECの新しい市販車ベースのカテゴリーにレーシングタイヤを供給する入札プロセスを勝ち抜いたと発表した。

 グッドイヤーは現在、同選手権のLMP2独占タイヤパートナーであり、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2およびGTEチーム、さらにAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズのLMP2車両にもタイヤを供給している。

 一方、現在GTEアマクラスとシリーズ最高峰カテゴリーであるハイパーカークラスにタイヤを供給しているミシュランは、この発表により世界選手権のGTカテゴリーへのタイヤ供給が、今季2023年までとなることが明らかになった。

「タイヤは今後2、3年で進化する重要な分野のひとつだ」と語るのは、FIAエンデュランス・コミッションの会長を務めるリシャール・ミル氏。

「私たちはすでにタイヤウォーマーを手放しており、利用可能なタイヤコンパウンドの数も徐々に減らしていく予定だ。そのため、すでにWECとGT3レースの両方を熟知している経験豊富なパートナーの存在は資産になる」

「LMGT3クラスのクルマが市販の既製品のタイヤで走るという事実も、競技者にとってコストを下げるポジティブな展開だ」”

 なお、現時点でグッドイヤーが供給するLMGT3向けタイヤの技術的な詳細は発表されていない。

 グッドイヤーによるLMGT3クラスへの供給は、現在NLSニュルブルクリンク耐久シリーズと、ニュルブルクリンク24時間レースで一部のSP9チームと協力するのみとなっている同ブランドのGT3活動を大幅に拡大するものとなる。

 WECのLMGT3クラスにおけるグッドイヤーの役割は今週、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)のメンバーによって電子投票により承認された。

 一方、WECの共同主催者であるACOフランス西部自動車クラブが運営するELMSとAsLMSでのGT3マシンへのタイヤ供給については、現在のところアナウンスされていない。

 ACOのピエール・フィヨン会長は、「LMGT3クラスが来年サーキットを走る準備をするなかで、高い評価を得ているタイヤメーカーを迎えることができ、うれしく思っている」とコメント。

「グッドイヤーが持つ、高品質なタイヤを競争力のあるコストで供給するノウハウは、チームにとって大きなメリットになる。彼らの耐久レースへのコミットメントに感謝している」

グッドイヤーがタイヤを供給しているLMP2クラス

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