「誰もが暮らしやすく」「街に希望を」低投票率のいま、静岡の若い有権者が語る胸の内

近年、選挙では投票率の低下が問題視されています。こうした中で若い世代の有権者は街の未来をどう描いているのか。静岡県内在住、または出身の10代から20代の3人に話を聞きました。

藤枝市出身で東京都内の大学に通う太田あかりさん(19)。卒業後はIT業界の技術者として第一線で長く活躍したいと考えていますが、気になるのは子育てとの両立です。

<太田あかりさん>

「政治家には女性が少ないと言われているし、実際に少ないので、できるだけ女性の意見を取り入れてほしい。子育てとか結婚して暮らす時にサポートがちゃんとあったらいいと一番感じる。1回仕事を離れると追いつけなくなりそうだし、働くことや勉強することは続けたい」

2023年3月、定時制高校を卒業した藤枝市の漆畑美広さん(19)。小学生の時、いじめを受け、それを黙認する学校や先生に不信感を抱いたといいます。希望するのは子どもの悩みに寄り添う街づくりです。

<漆畑美広さん>

「学校に行くのもおっくうだし、いじめがあって行きたくないという子どもたちが藤枝に限らず、いろんなところにいる。この人なら言えるかなとか、この人なら信頼できるというような関係性だとか、そういった居場所、簡単に言えば駆け込み寺じゃないですけれど、最後の最後に頼れる場所があるといいかな。世の中にはつらい思いをしてきた子どもたちが、これからどんどん出てくると思う。第二の漆畑君、そういう子どもたちに希望とエールと人生ってそんなに暗いものじゃないんだよと伝えていければ」

トランスジェンダーの当事者である掛川市の永田怜さん(29)。性別適合手術を受け、戸籍を女性から男性に変更し、いまは看護師として病院に勤務しています。高校を卒業する直前まで誰にも打ち明けられなかった経験があります。

<永田怜さん>

「私たちがカミングアウトしなければいけない理由は、まだまだ皆と同じ土台で住んでいる感覚ではないからだと思う。そういった当事者はどんどん都会や住みやすい場所に移ってしまう。誰もが過ごしやすい街にすることを、もっともっと声に出していただければ、私たちにとっても誰もが生活しやすい街になっていくのでは」

県議選の投票率の推移です。2003年、20年前は赤いグラフで20~30代の投票率は41.52%、それが2019年には30.77%と10ポイント強減っています。これから先、自分の住む地域がどうなっていくのか、自分の未来を自分で決めるという意志をもって若い世代には投票に行ってもらいたいと思います。

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