中学1年の女の子と祖母、一緒に2年間も髪を切らなかった優しい気持ち 福井県、カット後お互いに「かわいい」

約2年間かけて伸ばした髪をカットした東川桃さん(右)とマキさん=福井県鯖江市のフラウ横江店

 病気などで髪を失った人たちに医療用かつらを贈る活動「ヘアドネーション」に役立ててもらおうと、福井県越前市の東川桃さん(中学1年)と祖母のマキさん(67)がこのほど、鯖江市の美容室「FRAU横江店」で約2年間伸ばした髪約30センチをカットした。

 桃さんは小学4年生の時、3年ほど伸ばした髪35センチをカットし寄付した。マキさんは「もう一度誰かの役に立てたら」とショートボブに切った髪を再び伸ばす孫の姿に感銘を受け、一緒に髪を伸ばし始めた。

 この日は、美容師が腰まで伸びた髪を数本の束にまとめた後、桃さんとマキさんそれぞれが自らはさみを入れた。終始リラックスしていた2人はカット後、互いのショートヘア姿に「似合ってる」「かわいい」などと声をかけ合っていた。

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 髪は美容室を通じ、かつらを無償提供する大阪市内のNPO法人に送られる。日々のヘアケアを頑張っていたという桃さんは「自分たちの髪を使ったかつらが、必要な人の元に早く届いてほしい」と話していた。

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