県議選きょう投票

 何日か前の紙面に大きく載った記事を読んで考えた。見出しは〈多様性のある議会へ〉。何にも間違ったことは言っていないように感じるのに、何だかあれこれ気になった▲地域社会の物事を決定する場所である「議会」に多様性が望まれることは言うまでもないが、そう願っても、私たちの手には「1票」しかないから、選挙結果の全体を選ぶことはできない▲記事は「女性候補」や「女性議員」を増やそうとする動きを中心に伝えていた。女性の政治参加が広がってほしいのもその通りだが、「性別」が“多様性”を形づくるほんの一要素でしかないことには、慎重な注意が必要だろう▲さて、自分一人では多様性を選べない私たちには、新しい議会ができるだけ多様性に満ちた場所になっていればいいなあ…と願うことのほかに、できることはないのだろうか、と考えている。きょうは県議選の投票日▲結局たどり着いたのは、選挙が、世の中や地域社会に存在するさまざまな問題意識とか、ばらばらの価値観とか、世代によってまちまちに異なる優先順位とかを、しっかり持ち寄って行われることの大切さ-といういつもの結論だ▲投票への参加が、政治の場に多様性を生み、育て、支える最初の一歩であることを改めてかみ締めたい。投票に行きましょう。(智)

© 株式会社長崎新聞社