自民1強維持 新県議50人決定 維新、初の議席確保 女性躍進 栃木県議選

初当選が決まり、支持者と万歳する杉田光氏(中央)=9日午後10時50分、足利市上渋垂町

 第20回統一地方選前半戦の県議選は9日、投開票が行われ、無投票当選の7人を含む計50議席が確定した。自民党は現有28議席から1増の29議席を獲得し過半数を維持した。議席増を狙った立憲民主党は現有3議席にとどまり、公明党は全員当選で現有3議席を確保。共産党は初めて3期連続当選を果たし、日本維新の会は初の議席を獲得した。投票率は前回の40.44%から2.42ポイント下がって38.02%となり、13回連続で低下し過去最低を更新した。

 当選した50人の平均年齢は57.02歳。改選前の60.97歳から約4歳若返った。12選挙区のうち、7選挙区で新人がトップ当選するなど、世代交代を印象づけた。10人出馬の女性候補は9人が当選。改選前から3人増え、過去最多となった。

 今回は16選挙区に67人が出馬した。無投票となった4選挙区7人を除く12選挙区60人が、人口減少対策や地方経済活性化などを争点に、選挙戦を繰り広げた。

 自民は現職27人と元職1人、新人4人を擁立。新人では、それぞれ市町議を3期経験した足利市の杉田光(すぎたひかる)氏、小山市・野木町の大木英憲(おおきひでのり)氏、さくら市・塩谷郡の佐藤晴彦(さとうはるひこ)氏の40代3人が当選した。返り咲きを狙った鹿沼市の元職神谷幸伸(かみやゆきのぶ)氏は6選を果たした。

 現職は1~4期の若手・中堅が全員当選した一方、激戦区で重鎮の落選が続き、保守分裂の一騎打ちとなった那須烏山市・那珂川町では7選を狙った元議員会長の三森文徳(みもりふみのり)氏、4年前と同じ顔触れとなった鹿沼市では6期目を目指した県連政調会長の小林幹夫(こばやしみきお)氏が敗れた。

 立民は現職2人が議席を保ったが、4期目を狙った足利市の加藤正一(かとうしょういち)氏が落選。新人は那須塩原市・那須町で土屋晃子(つちやあきこ)氏がトップ当選し県北で悲願の議席を得た一方、福田昭夫(ふくだあきお)県連代表のお膝元のさくら市・塩谷郡では桜井秀美(さくらいひでみ)氏が落選した。

 公明の現職3人は全員が当選した。共産は唯一擁立した宇都宮市・上三川町の現職野村節子(のむらせつこ)氏が議席を維持。維新は同選挙区で新人大久保裕美(おおくぼゆみ)氏がトップ当選し、県内選挙で維新候補が初めて当選した。同選挙区の参政党新人は及ばなかった。

 無所属で出馬した24人のうち当選は13人。新人は6人で、トップ当選した佐野市の横田誠(よこたまこと)氏と大田原市の星雅人(ほしまさと)氏は自民会派入りを目指すとみられる。立民党籍を持つ宇都宮市・上三川町の渡辺典喜(わたなべのりよし)氏は立民議員らと同じ会派「民主市民クラブ」で活動する見通し。

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