就活生へ…企業が学生時代に高めてほしいと思う知識、社会人基礎力1位は 福井商工会議所がアンケート

【アンケート結果】学生時代に身に付けておいてほしい知識分野

 福井商工会議所と県人材確保支援センターはこのほど、福井県内企業を対象に、経営や新卒学生に関するアンケートを行った。経営課題(複数回答)については「働き方改革(労働環境改善)」が56.9%と最も高かった。新卒学生に身に付けておいてほしい知識分野(複数回答)は「社会・情報」が56.5%に上ったほか、社会人としての「規律」を求める声も多かった。

 会員企業など1240社に2月に調査票を送付し、248社から回答を得た。

 企業が抱える課題を三つまで挙げてもらったところ、「働き方改革」に続き「IT化・DX化」が54.0%、「賃上げ(物価高対応)」が53.2%と続いた。業種別に最も多かった項目をみると、製造業とサービス業は「賃上げ」、建設業と小売業が「働き方改革」、卸売業は「IT化・DX化」だった。これらが上位となった背景に、深刻化する人手不足や、原材料費、燃料費の高騰などがあるとみられる。

 新卒学生に身に付けておいてほしい知識分野(三つまで回答)は「社会・情報」が最も多く、次いで「政治・経済・経営」が33.1%、「機械工学」が25.0%だった。社会・情報は「コミュニケーション」「メディア」「文化」「まちづくり」など対象が広く、同支援センターは「社会課題との関連も深いため、新たなビジネスにつながると判断しているのではないか」としている。

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 身に付けておいてほしい社会人基礎力(三つまで回答)としては「主体性」が66.9%、「実行力」41.5%、「規律性」が31.0%などが上位を占めた。製造業では「課題発見力」、建設業では「柔軟性」が上位に入るなど、業種による違いもみられた。

 「規律性」を求める企業が多かったことについて、「不法行為をSNS(交流サイト)で堂々と拡散するなど、モラルが問われる行動が若年層を中心に広がっており、『社会のルールを守るべきだ』という企業の思いが反映されたのではないか」と推測している。

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