新型コロナウイルス対策のマスク着用のルールが緩和され迎えた10日の新学期。子どもたちからは「自分だけ外すのは恥ずかしい」「コロナ感染が心配」などの声が聞かれた。県内の小中学校では、多くの児童生徒がマスクを着けて学校生活を送る風景が続いた。
10日に始業式などを行った真岡市真岡中。体育館に集まった新2、3年生の計約340人は、ほぼ全員がマスク姿だった。
新クラスでの自己紹介などもマスク姿は変わらず。会話を解禁した給食でも自然と黙食が続いた。
同校は事前に、マスクの着用を生徒個人の判断に委ねることを説明した。「外す生徒がもっといると思っていたので驚いた。多感な時期だから様子見で、一気に外す判断にはならないのかもしれない」。柳田伸二(やなぎたしんじ)校長(60)はそう受け止めた。
生徒会長の3年三枝航希(みつえだこうき)さん(14)は「今日からマスクを着けなくてもいいことを自分から実践したい」と、マスクなしで式に臨んだ。「新しい生活の中でみんなも徐々に外していくと思う」と笑顔を見せた。
文部科学省は3月、学校でのマスク着用について「求めないことを基本」とする指針を各都道府県教育委員会などに通知。県内25市町教委は下野新聞社の取材に、指針通りに運用する意向を示した。一方、小中学校の多くではマスクを着けた児童生徒の姿があった。
那須塩原市東原小では10日、4年ぶりに在校生全員が体育館にそろい、始業式を行った。全教職員がマスクを外した一方、新2~6年生の9割は着用して整列。この3年で校歌を歌う機会が減ったため、児童は歌詞カードを手に斉唱した。
マスクなしで過ごした6年福村陽斗(ふくむらはると)君(11)は「みんな着けていて、少し恥ずかしい。でも、久しぶりに先生方の顔が見えて気持ちがよく伝わってきた」。6年吉本綾愛(よしもとあやめ)さん(11)は、家族への感染を防ぐため当面は着用を続けるつもりだ。「多くの友達が外すようになり、卒業までにいろんな人の顔が見られたらうれしい」と話した。