関心、期待の薄さ顕著 県議選 投票率過去最低更新

 県議選の投票率38.02%は前回の40.44%を下回って過去最低を更新し、ついに4割を切った。今回で13回連続の下落と歯止めがかからない。県民有権者の県議会への関心と期待の低さが浮き彫りとなり、両者の「距離」を縮める工夫を求める声も上がった。

 現職と新人の一騎打ちとなった矢板市選挙区。第2子出産を控える同市、保育士女性(28)は「何かとお金がかかる。子育て世代に優しくして」と望みつつも一票は投じなかった。「誰に入れても変わらないかな」。両候補者は子育て支援を訴えていたが、選挙公報などは見ていないという。

 「県議は何をやっているのか分からないから」。栃木市、会社員男性(43)も前回に続き投票を棄権した。多くの候補者が重視する人口減少などに関心はあるが「それは国全体の問題でしょ。当選するためにいいことを言っているだけ」と冷ややかだった。

 一方、佐野市出流原町、無職片柳栄(かたやなぎさかえ)さん(72)は「自分の意思表明として大切な機会」と今回も投票所に足を運んだ。有権者と県議会の距離は懸念しており「特に若い人は、市議や市長より身近に感じていないのでは。若者が政治に参画する方法を考えないと」と注文を付けた。

 妊娠中の宇都宮市ゆいの杜5丁目、角谷千夏(かどやちか)さん(37)は体調が優れない中、「この1票が子どもたちの生きやすい未来につながれば」との思いで投票した。「気持ちがあっても投票所へ行けない人もいるはず。オンライン投票など他の方法があればいいのに」と対策を期待した。

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