検察の立証方針保留に不満も「先は見えているので安心」と袴田さんの姉・ひで子さん 

いわゆる「袴田事件」の再審=裁判のやり直しに向けた三者協議が4月10日開かれ、検察は有罪立証をするか判断するための検討期間が必要で2023年7月までに立証方針を示す考えを示しました。

1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さんの再審=裁判のやり直しに向けて10日、裁判所と弁護団、検察による初めての三者協議が開かれました。

今回、一番の焦点は検察が再審の場で改めて袴田さんの有罪を立証するかどうか、という点でしたが、弁護団によりますと検察は有罪立証をするか判断するための検討期間が必要で、2023年7月10日までに立証方針を示す考えを伝えたということです。

<袴田事件弁護団 小川秀世弁護士>

「最終的には犯行着衣の立証ができないですから、それはもう有罪の立証は断念するという風に確信しています。そういう意味では3か月という期間は何だろうということで、私としては腹立たしいところです」

また裁判所は過去の審理で扱った証拠が膨大なことから再審に提出する証拠を絞り込むよう求め、この作業にも時間がかかる見通しだということです。

<袴田巌さんの姉・ひで子さん(90)>

「ここまでくれば、半年や1年どうってことない。もう、先は見えてますから。私は安心しています」

次回の三者協議は5月29日に開かれますが、初公判の期日の見通しは立っていません。

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