2023年のフォーミュラ・リージョナルが開幕。平木湧也、澤龍之介、小川颯太が優勝分ける接戦に

 2023年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の開幕戦となる富士大会(第1戦〜第3戦)が4月1〜2日に富士スピードウェイで開催され、平木湧也(HELM MOTORSPORTS)、澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)、小川颯太(Bionic Jack Racing)の3名が優勝を分け合う接戦となった。

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 2020年の初開催から4年目を迎えたFRJ。今大会には全マスタークラス4台を含む9台がエントリーを果たした。昨年のスーパー耐久ST-XクラスのチャンピオンチームでもあるHELM MOTORSPORTSが新規参戦したほか、昨年のカストロール・トヨタ・フォーミュラ・リージョナル・オセアニアでランキング4位となったリアム・シーツ(SUTEKINA RACING TEAM)が参戦し、昨年とはまた違った顔ぶれが顔をそろえた。

 4月1日に行われた公式予選ではいずれも小川がトップタイムをマークし、第1戦〜第3戦のポールポジションを獲得。また、マスタークラスでも辻子依旦(PONOS RACING)が3戦ともにクラス最上位グリッドを獲得した。

■第1戦/ファイナルラップの逆転劇で平木湧也が初優勝

 1日13時10分より行われた15周の第1戦決勝。スタートで抜群の蹴り出しを見せたのはフロントロウ2番グリッドスタートの平木だった。小川からTGRコーナーのホールショットを奪うことに成功。2番手小川以下、岩澤優吾(Bionic Jack Racing)、シーツが追う展開に。一方、久々のFRJ参戦となった澤龍之介だったが5番グリッドスタートから痛恨のエンジンストールを喫し、8番手まで後退する。

 平木、小川の2台は後続を引き離し首位争いを展開。レースも3分の1が経過した6周目のTGRコーナーで小川が勝負に出る。ここでポールシッター小川が首位に返り咲く。

 その後も首位2台は接戦を続けるが、残り2周となった14周目、小川の眼前に周回遅れが現れた。この周回遅れをかわす際に平木がスパート。小川との間合いを一気に縮め、両者はサイド・バイ・サイドのバトルに。

 そうして迎えたファイナルラップのTGRコーナーでアウトサイドにマシンを振った平木が、TGRコーナー立ち上がりで小川のインに入り、再びトップに浮上。そのままチェッカーを受けた平木がFRJ初優勝を飾った。2位に小川、そして3位にはスタート失敗から追い上げを見せた澤が続いた。マスタークラスは総合6位に入った辻子がクラス優勝を飾った。

2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝 スタート
2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝 スタートで首位に浮上した平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝 6周目に首位に返り咲いた小川颯太(Bionic Jack Racing)とそれを追う平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝 トップチェッカーを受ける平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝を制した平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
2023 FRJ 富士大会 第1戦決勝 マスタークラスを制した辻子依旦とPONOS RACING

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第1戦富士スピードウェイ 決勝正式結果

Pos. No. Class Driver Team Laps/Gap

1 62

平木湧也 HELM MOTORSPORTS 15Laps

2 98

小川颯太 Bionic Jack Racing 0.207

3 3

澤龍之介 SUTEKINA RACING TEAM 9.736

4 27

L.シーツ SUTEKINA RACING TEAM 11.224

5 97

岩澤優吾 Bionic Jack Racing 19.329

6 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 1’10.097

7 18 M YUKI NILZZ Racing 1’10.609

8 23 M YUGO N-SPEED 1’12.980

9 2 M 林雅弘 TeamKRM 1Lap

天候:晴れ 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:13時13分20秒
フィニッシュ時刻:13時38分10秒917
ファステストラップ:
1分38秒630(12/15) 166.550km/h  #62 平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
M:1分42秒387(15/15) 160.438km/h  #23 YUGO(N-SPEED)

■第2戦/澤龍之介がペナルティを跳ね除け勝利を掴む

 続いて第2戦決勝は翌2日の午前に行われた。曇り空のもと、午前9時30分にフォーメーションラップを迎えたが、その際、2番グリッドスタートの澤が出遅れてしまう。1周のフォーメーションラップのあと、澤は本来のスタート位置だった2番グリッドにマシンを戻し、レーススタートを迎えた。

 ポールシッター小川が抜群の蹴り出しを見せるも、TGRコーナーのブレーキングでフロントタイヤをロックさせオーバーラン。その隙に澤が首位に浮上し、平木、岩澤優吾(Bionic Jack Racing)が先行。小川は4番手にポジションを下げてしまう。

 ただ、小川はオープニングラップのアドバンコーナーで3番手に、さらに2周目のダンロップコーナーで2番手にポジションを戻すが、その時点ですでに澤は3秒以上リードを築いていた。

 レース中盤も単独走行を続けた澤の優勝は安泰かと思われたが、そんな澤に対しスタート手順違反により、5秒のタイムペナルティが与えられることに。これで澤は残り少ない周回数で2番手に5秒以上のリードを築くべく、猛プッシュを見せる。

 13周目には1分38秒104のファステストを更新するなど、好タイムを刻み続けた澤は、2番手に5.698秒のリードを築きチェッカーを受け、今季初、FRJとしては約1年ぶりの勝利を飾った。2位に小川、3位に平木が続いた。マスタークラスは総合5位に入った辻子が連勝を飾っている。

2023 FRJ 富士大会 第2戦決勝 首位に浮上した澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
2023 FRJ 富士大会 第2戦決勝 5秒のタイムペナルティを跳ね除けるべく猛プッシュを見せる澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
2023 FRJ 富士大会 第2戦決勝 ペナルティを跳ね除け昨年富士大会以来の勝利を掴んだ澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
2023 FRJ 富士大会 第2戦決勝 今季初勝利を飾った澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
2023 FRJ 富士大会 第2戦決勝 マスタークラスを制した辻子依旦(PONOS RACING)

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第2戦富士スピードウェイ 決勝正式結果

Pos. No. Class Driver Team Time/Gap

1 3

澤龍之介 SUTEKINA RACING TEAM 15Laps

2 98

小川颯太 Bionic Jack Racing 0.698

3 62

平木湧也 HELM MOTORSPORTS 9.674

4 97

岩澤優吾 Bionic Jack Racing 18.808

5 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 1’09.670

6 23 M YUGO N-SPEED 1Lap

7 2 M 林雅弘 TeamKRM 1Lap

8 18 M YUKI NILZZ Racing 2Laps

27

L.シーツ SUTEKINA RACING TEAM 13Laps

天候:曇り 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:9時33分13秒
フィニッシュ時刻:9時57分59秒560
ファステストラップ:
1分38秒104(13/15) 167.443km/h  #3 澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
M:1分41秒690(11/13) 161.538km/h  #18 YUKI(NILZZ Racing)
ペナルティ:
CarNo.3は、シリーズ規則第31条6.(スタート手順)違反により、タイムペナルティ5秒を課す。

■第3戦/小川颯太がランキング首位浮上

 2日午後、富士大会最終レースとなる第3戦が行われた。3戦ともポールポジションを獲得した小川にとってはなんとしてでもスタートを決め、トップのままチェッカーを受けたいところ。そんななか、3番グリッドから好スタートを決めたのは小川のチームメイトの岩澤だった。

 ただ、小川は首位を守り切り、TGRコーナーを立ち上がることに成功。小川、岩澤、平木、澤のオーダーでグリーンファイト100Rを迎えたが、ここで澤が平木をパスし3番手に浮上する。小川が徐々にリードを広げるなか、岩澤、澤、平木の2番手争いは白熱する。

 8周目、澤が岩澤を捕らえて2位に浮上。続いてトップの小川を追うも、その時点でギャップは3秒に広がっており、なかなか縮めることが叶わない。

 そんななか、小川はファイラルラップの1分37秒877のファステストを更新する走りで、トップチェッカーを受け、今季初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。

 2位に澤、3位に平木が続き、3名が週末の3戦の勝利を分け合うかたちとなった。マスタークラスは総合6位でチェッカーを受けたYUKI(NILZZ Racing)が制している。

 開幕富士大会を終えた時点で小川が61ポイントを獲得しドライバーズランキングをリード。ランキング2位に58ポイント獲得の澤、ランキング3位に55ポイント獲得の平木が続いている。

 マスタークラスでは富士で2勝を決めた辻子がランキング2位のYUKIに13ポイント差を築いてランキングトップを守っている。

 全6大会16戦が開催される2023年のFRJ。次戦は5月13〜14日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

2023 FRJ 富士大会 第3戦決勝 小川颯太(Bionic Jack Racing)
2023 FRJ 富士大会 第3戦決勝 高木真一監督と小川颯太(Bionic Jack Racing)
2023 FRJ 富士大会 第3戦決勝を制した小川颯太(Bionic Jack Racing)
2023 FRJ 富士大会 第3戦決勝 YUKI(NILZZ Racing)
2023 FRJ 富士大会 第3戦決勝 クラス優勝を果たしたYUKI(NILZZ Racing)と三浦愛アドバイザー

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ

第3戦富士スピードウェイ 決勝正式結果

Pos. No. Class Driver Team Time/Gap

1 98

小川颯太 Bionic Jack Racing 15Laps

2 3

澤龍之介 SUTEKINA RACING TEAM 3.056

3 62

平木湧也 HELM MOTORSPORTS 6.575

4 97

岩澤優吾 Bionic Jack Racing 7.571

5 27

L.シーツ SUTEKINA RACING TEAM 7.816

6 18 M YUKI NILZZ Racing 1’12.487

7 45 M 辻子依旦 PONOS RACING 1’21.168

8 23 M YUGO N-SPEED 1’52.087

9 2 M 林雅弘 TeamKRM 1Lap

天候:曇り 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:13時53分15秒
フィニッシュ時刻:14時17分51秒288
ファステストラップ:
1分37秒877(15/15) 167.831km/h  #98 小川颯太(Bionic Jack Racing)
M:1分41秒724(13/15) 161.484km/h  #18 YUKI(NILZZ Racing)

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