春の味覚、今年は1週間早く…特産タケノコの出荷開始 福井県越前町宮崎地区、5月20日ごろまで収穫

竹林から掘り起こされる、丸々と育ったタケノコ=4月11日、福井県越前町広野

 福井県越前町宮崎地区特産のタケノコの本格的な出荷が4月11日、始まった。同町広野、蚊谷寺の竹林では同日、武田哲さん(73)ら生産者が、丸々と育った春の味覚を次々と収穫していった。

 同地区のタケノコは粘土質の赤土で育つため「赤子(あかこ)」と呼ばれ、柔らかく甘みのある味わいが特長。今年は3月に気温が上がり適度な雨が降ったことで生育が進み、例年より1週間早い出荷となった。

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 この日は午前6時から収穫に取りかかった。武田さんらは地面から数センチ飛び出たタケノコを見つけると、くわで土をかき分け、勢いよく掘り起こしていった。採れ立てが苦みもなくお薦めという武田さんは「刺し身や天ぷら、炊き込みご飯などいろいろな食べ方で味わって」と話していた。

 JA福井県によると収穫は来月20日ごろまで続き、町内全体の出荷量は約50トンを見込んでいる。タケノコは同町の農産物直売所「おもいでな」や同JA直売所「丹生膳野菜」(福井市)のほか、県内各地のスーパーで販売される。

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